「いじめ防止対策推進法」が28日、施行される。いじめ自殺で子供を亡くした遺族にとって悲願の法律だが、条文が曖昧なため、施行を前に、学校や教育委員会が法を逆手に取るような解釈をして遺族を失望させるケースも露呈した。「法が効力を発揮するよう公平な調査と情報提供の責務を明記してほしい」。遺族らは法の具現化を目的に来月策定される国の基本方針の行方を見守っている。 ■「法に規定ない」 「新法の解釈が曖昧なため、いまなお遺族と学校、教育委員会との間で紛議が生じている」 今月12日、新法制定のきっかけとなった大津市の中2男子=当時(13)=の父親(48)は、新法の運用について具体的に定める「いじめ防止基本方針」を検討する文部科学省の有識者会議で、こう訴えた。念頭にあるのは、中1女子自殺をめぐる奈良県橿原(かしはら)市教委の対応だ。 女子生徒が自殺したのは今年3月末。遺族は「いじめが自殺の原因ではないと考