素粒子ニュートリノの秘密に迫る「T2K(Tokai to Kamioka)実験」で、大強度陽子加速器施設(J―PARC、茨城県東海村)から射出したニュートリノを、295キロ・メートル離れた東大宇宙線研究所の観測施設「スーパーカミオカンデ」(岐阜県飛騨市神岡町)で、観測することに初めて成功した。 研究を進める高エネルギー加速器研究機構が25日、発表した。 ニュートリノと水の原子が反応した証拠である発光を観測したのは、24日午前6時。T2K実験では、ニュートリノが飛行中に別種のニュートリノに変化する現象「ニュートリノ振動」の全容解明をめざしており、研究が進めばノーベル賞級の成果が期待される。実験は昨年4月に始まり、同11月にJ―PARCに隣接する検出装置でニュートリノの射出を確認している。