平城京跡で初めて見つかったイスラム陶器の破片=奈良市の市埋蔵文化財調査センターで2009年7月3日、宮間俊樹撮影 平城京内に奈良時代に建てられた西大寺の旧境内(奈良市西大寺新田町)で、西アジアから伝わった「イスラム陶器」のつぼとみられる破片が見つかった。奈良市埋蔵文化財調査センターが3日、発表した。「神護景雲2(768)年」と書かれた木簡も出土し、8世紀に伝わったと判明。イスラム陶器は大宰府跡(福岡県太宰府市)などで9世紀以降のものが見つかっているが、それより古く、平城京では初出土。奈良時代の海上交易を考える上で貴重な発見となる。 住宅建設に伴い、4月から調査。旧境内西南の溝の跡(深さ約1.5~2メートル)から、土器などと共に破片19点が見つかった。イスラム陶器は現在のイラクを含むアッバース朝(イスラム帝国)の領土内で作られた。破片には青緑色の釉薬(ゆうやく)が内外面に厚く塗られ、高さ約