聖武天皇の大嘗祭が営まれた大嘗宮跡=奈良市の平城宮跡で2024年3月17日午後0時18分、上野宏人撮影 奈良文化財研究所(奈良市)が平城宮跡近くで今春発掘した「大嘗祭(だいじょうさい)」に関係する木簡の中に、大嘗祭の中核をなす天皇と神が食事を共にする神事に使われる座布団や寝具を指すとみられる「神御茵(しとね)」と書かれた木簡片が見つかっていたことが分かった。周囲からはこの大嘗祭を行った聖武天皇(701~756)が儀式で使ったとみられるカシワの葉も出土しており、現存する文字史料より200年以上も前に既に中核の儀式が存在したことを示す証拠と言える。奈文研は22日から、出土した木簡を一般公開する。 大嘗祭は天皇が即位後初めて行う新嘗祭(にいなめさい)で、飛鳥時代の天武天皇から続く重要儀式。祖神が座るとされる「神座」と食卓をはさんで天皇が相対し、カシワの葉を編んだ容器に自ら供物を取り分けて食事を共