静岡県内の寺院やお堂で仏像が盗まれる事件が相次いでいる。県警によると、今年に入って3月から今月にかけ、16件25体の被害が発覚。うち5件は偽の仏像とすり替えられており、県警では発覚を遅らせるための悪質な手口とみて、同一犯の可能性も視野に捜査を進めている。(三品貴志) ■還ってきた秘仏 島田市の法蔵寺。7月28日午前、観音堂に安置されていた「千手観音立像」が盗まれ、代わりに金色に塗装された木彫りの仏像が置かれているのを檀家(だんか)らが見つけた。 観音像は約60年に1度しか“ご開帳”されない秘仏。寺は約20年前から無人だったが、観音像は同市の指定文化財として厚い信仰を集めていただけに、地元住民に衝撃が走った。 島田署が窃盗事件として捜査したところ、観音像は同県藤枝市の古物商が高齢の男性から買い取った後、業者間の売買を経て京都の収集家の手に渡っていたことが判明。観音像は8月に返還され、同市立博