新たに見つかった僧房とみられる建物跡。穴は掘立柱を建てた跡とみられる=高知県南国市元町1で、2021年7月9日午前11時45分、小林理撮影 高知県南国市教委は9日、野中廃寺(同市元町1)の発掘調査で伽藍(がらん)配置が判明したと発表した。県内の古代寺院跡で伽藍配置が判明したのは初めてで、創建の経緯や周辺の他の遺跡との関係など、今後の調査に大きく貢献しそうだ。【小林理】 野中廃寺は江戸時代の歴史書に廃寺としての記録はあるが、詳細はほとんど分かっていなかった。市教委は分譲宅地開発に伴い、昨年2月から8月まで試掘し、今年5月から7月末までの予定で本調査を実施中だ。 発掘の結果、建物の基礎となる「基壇」が新たに2カ所で見つかった。基壇は重量のある瓦ぶきの建物を建てるために地盤を改良した部分で、1963年の調査で別の2カ所は判明していた。それぞれの規模や柱跡などを考慮して、中門、金堂、講堂、塔が基壇