さすがに西側諸国は今回のクーデタを批判しているが、軍部のクーデタがなぜ批判されるか、先生方のクラスの生徒・学生はきちんと理解できているだろうか。 言うまでもなく文民統制に反するからだが、ではなぜ文民統制を崩してはいけないか、生徒・学生は他人に説明できるだろうか(論述式の試験で書けるだろうか)。できない生徒・学生がものすごく多いはずである。もしわかっていれば、現在の日本政治に対する若者の態度もこうはならないのではないか。 もう一点、これは京大の玉田芳史教授の受け売りだが、かつてよく言われた「経済成長が進めば中間層が成長し民主化が進む」というテーゼ(エコノミストが好きなテーゼ)は、ときと場合による。「経済力のないところに先進国標準の民主化を求めてもたいていうまく行かない」というテーゼなら正しいが、「経済成長したら必ず民主化が進む」「その担い手は新中間層である」などというのはマユツバものである。