◇橿考研博物館、松林苑など速報展 橿原市の県立橿原考古学研究所付属博物館で、県内での最新の発掘成果を報告する速報展「大和を掘る34」が開催中だ。縄文~江戸時代の32遺跡で出土した遺物や写真パネルなど385点を見ることができる。 平城宮の北にあった奈良時代の庭園跡・ 松林苑 ( しょうりんえん ) (奈良市)では、庭園の南端とされる 築地塀 ( ついじべい ) と、同時代の役所・大蔵省の推定地の東端を区切る築地塀の交差部分が出土した。築地塀の隅が見つかるのは珍しい。 さらに東側からは、南北方向の溝が見つかり、奈良と京都を結んだ「歌姫街道」の側溝とみられる。会場では、築地塀のはぎ取り土層や瓦が展示されている。 春日大社(同市)の境内で出土した、仏教ゆかりの 蓮 ( はす ) の花を線刻した須恵器の破片や、一緒に見つかった、 祭祀 ( さいし ) で神に供えたとみられる土馬やミニチュア土器も展示