相双地方を舞台とした国指定重要無形民俗文化財「相馬野馬追」で、太平洋戦争中と終戦後の開催内容を記した資料が南相馬市で初めて発見された。空襲警報の解除後に騎馬武者行列が行われたことなど、当時の詳細が新たに分かった。 戦時中と終戦後の野馬追は、さまざまな言い伝えがあるが詳細は分からない「空白の5年間」とされてきた。当時の野馬追関係者が記録した資料が見つかったことで、資料を保管する市博物館は、野馬追が戦争や飢饉(ききん)などの苦難をどう乗り越えて続いてきたかを示す貴重な資料の一つとして注目している。 見つかったのは当時の騎馬武者たちでつくる「相馬野馬追講武会」や「相馬野馬追騎馬会」が、1943(昭和18)~47年にかけて、助成金を得るために日本馬事会や中央馬事会に提出した資料など。野馬追関係者が約20年前に市博物館に預けた膨大な資料の一部で、学芸員が今年3月に資料を整理中に発見した。 資料による