毎年元日に開かれるウィーン・フィルのニューイヤーコンサートは、46ヶ国に放映されるテレビ中継を通じて世界中の人々に楽しまれています。ヨハン・シュトラウスの作品を中心とした演奏会としては最大であるばかりでなく、いまやクラシック音楽の中では最も有名な演奏会となっています。 ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートは、1939年12月31日にクレメンス・クラウスがウィーン楽友協会大ホールでヨハン・シュトラウスの作品の演奏会を指揮したことに始まります。第2回 は1941年1月1日に開かれましたが、正式に「ニューイヤーコンサート」の名で呼ばれるようになっ たのは1946年からです。クレメンス・クラウスは、46年と47年にヨゼフ・クリップスが指揮した時を除いて、54年に急死するまで指揮を続けました。 急死したクラウスに代わって指揮棒をとったのは、コンサートマスターであったウィリー・ボスコフスキーです。