米中西部オハイオ州に、「デルタ」という小さい町がある。そこを車でさっと周ると、アメリカの星条旗と同じくらいドナルド・トランプ大統領を支持する旗がたくさん目に入る。 オハイオ・ターンパイク(優良高速道路)に近いガソリンスタンドでは、前政権の名残りが給油ポンプに残っている。「バイデンに投票した人は全員、私にガソリン代によこせ!」と書いてあるのだ。 ここはトランプ氏の支持基盤だ。昨年11月の大統領選挙では、共和党の正副大統領候補がほぼ2対1の差で、民主党に楽勝した。そして、トランプ氏が世界各国に大規模な関税を課すと発表して以来、株価をはじめとする世界の市場は混乱しているが、ここデルタをはじめとする中西部の何百もの町では、実に多くの住民が今も大統領の計画を支持している。 ほぼすべての国に10~50%の関税を課すというトランプ政権の計画は、世界貿易に大混乱をもたらしている。そして、アメリカの消費者に
