福井県の敦賀原子力発電所の断層について、国の原子力規制委員会は、専門家と評価する会議を開き、2号機の真下を走る断層が活断層の可能性があるという判断を示しました。規制委員会の田中俊一委員長は「今のままでは再稼働の安全審査はできない」と述べ、敦賀原発の2号機は、運転再開できずに、今後廃炉になる可能性が出てきました。 原子力規制委員会の島崎邦彦委員と専門家4人は、敦賀原発で今月1日から2日間行った現地調査を受けて、断層を評価する会議を10日、開きました。 敦賀原発には、国内で唯一、敷地に「浦底断層」と呼ばれる活断層があり、島崎委員らは現地調査で、浦底断層とそこから枝分かれするように延びて2号機の真下を走る「D-1」という断層を中心に、地面を掘って断面を調べるトレンチ調査の現場などで検証しました。 10日の会議では、専門家から浦底断層について「活動的でその影響は計り知れない」という意見や、D-1断
原発再稼働をめぐる主な党首の発言 日本原子力発電敦賀原発(福井県)が廃炉になる公算が大きくなり、衆院選で「脱原発」を訴える政党は活気づいた。苦戦を強いられているだけに、反転攻勢に向けてアピールに躍起だ。一方、政権に返り咲くと判断を迫られる自民党は沈黙している。 「今日は歴史的な転換点の日。活断層なので再稼働すべきではないという判断を規制委員会の委員長自身がした。まさに原発ゼロに向かって歩み出した。この流れを止めてはならない」 民主党の細野豪志政調会長は10日、福島市での演説でこう強調し、脱原発を掲げる党への支持を訴えた。 6月の関西電力大飯原発(福井県)の再稼働の判断には細野氏も加わり、野田政権が決めた。この日、野田佳彦首相がコメントする機会はなかった。ただ、民主党内では選挙戦にプラスに働くとの期待が広がる。 菅直人前首相は「早く廃炉手続きに入るべきだ。こういう形での廃炉は初めて
原子力規制委員会は10日に開いた日本原子力発電敦賀原子力発電所(福井県)の活断層の評価会合の結果を文書にまとめ、12日の定例会合で報告する。田中俊一委員長は10日の評価会合で「今のままでは再稼働の安全審査はとてもできない」との見解を示しており、こうした方針を早ければ12日の定例会合で正式決定する可能性もある。評価会合に参加した活断層の専門家らの共通見解をまとめる。島崎邦彦委員長代理は10日、2
鉛カバーを使った被曝隠しの構図 【多田敏男】東京電力福島第一原発で鉛カバーを使った「被曝(ひばく)隠し」が行われた工事の下請け会社8社について、厚生労働省は、違法な「偽装請負」の状態で作業員を働かせていたとして是正指導する方針を固めた。東電とグループ会社の東京エネシスには改善を要請した。東電が否定してきた不正な多重請負構造が存在し、作業員の安全を脅かしていたと監督当局が認めた格好だ。 原発事故の収束工事に絡み、東電を頂点に元請けから下請けが連なる構造を認定し、複数業者を指導するのは初めて。安全管理責任の所在があいまいな上、作業員は雇用状態が不安定で被曝隠しを拒みにくい立場にあったとみて東電やエネシスに監視強化を求めた。 被曝隠しがあった昨年12月1日の配管工事は東電が発注し、福島県の建設会社ビルドアップを通じて子会社だったアクセス青森が請け負った。鉛カバーで線量計を覆うよう指示したビ
原子力規制委員会は、原子力発電所の耐震設計上考慮すべき活断層を、従来の「過去12万~13万年以内に活動したもの」から「40万年以内に活動したもの」に広げる方針を決めた。 原発の耐震安全性の基準を検討する規制委の専門家チームが7日、見解をまとめた。来年1月に骨子を公表する原発の新安全基準に盛り込み、ルールを厳格化する。 地震の揺れが原発に及ぼす影響の評価についても、日本原子力発電敦賀原発(福井県)のように、活断層が原子炉建屋の近くにある場合、想定より揺れが大きくなる恐れがあるとして、新たな基準で耐震安全性を評価すべきだとした。影響を詳しく評価するため、敷地直下の地下構造を立体的に把握するよう電力会社に求める。
東京電力は6日、福島第一原発事故後1年間の作業員の年代別被曝(ひばく)量を明らかにした。発がんリスクが上がる100ミリシーベルトを超えて被曝した割合が最も高いのは、20代で1.22%だった。30〜50代もそれぞれ1%近くが、100ミリより多く被曝していた。 東電が世界保健機関(WHO)に報告したデータを公表した。作業員の人数や被曝量の年代別分布が明らかになるのは初めて。 100ミリを超えて被曝した作業員は20代が25人(全作業員2057人)、30代が40人(同4179人)、40代が49人(同5893人)、50代が46人(同5409人)、60代は5人(同1858人)。10代(同64人)、70代〜80代(同26人)は100ミリを超えて被曝した人はいなかった。また、20代では250ミリを超えて被曝した人が3人、30代、40代、50代ではそれぞれ1人ずついた。 続きを読むこの記事の続きをお読み
東日本大震災で義援金や東京電力の賠償金などを受け取った生活保護の受給世帯に対し、生活再建の経費として認められる使い道が、自治体によって異なる状態が続いている。 厚生労働省から「被災者の事情に配慮した取り扱い」を求められ、個別に判断しているためだ。同省によると、経費認定後に残った収入が多いとして、宮城、福島など5県で生活保護打ち切りに至るケースは、震災後1年間で計1958件。判断に悩む自治体担当者も多く、専門家からは「場当たりでなく、法的整備が必要」との指摘も出ている。 収入認定の対象となるのは、義援金のほか、遺族が受け取る災害弔慰金、見舞金、東電の補償金や賠償金など。厚労省は昨年5月、これらを生活保護の受給世帯が受け取った場合、生活用品や家具、家電の購入、住宅の補修など「自立更生のために充てる費用」を差し引いたうえで、臨時収入として認定するよう都道府県などに通知。「一律的・機械的な取り扱い
最近見たメディア報道でかなり衝撃的で興味深い特集がありましたので、ご紹介いたします。 11月30日の夕方のニュース番組「Nスタ」(TBS/毎日系列)で、「減る鳥・昆虫…奇形も福島原発周辺で異変が放射性物質が影響か」と題する特集が放送されていました。 カリフォルニア大学の教授(生物学)とパリ11大学の教授(生物学)(この二人はチェリノブイリにおいても鳥や昆虫の調査を長年してきたと紹介されてました)、そして日本人研究者が合同で、東京電力福島第1原発の事故による環境への影響を調べている様子をドキュメンタリータッチで放送しています。 研究チームの服装がずいぶん軽装で撮影は夏と思われるのに、鳥やセミの鳴き声がほとんど聞こえてこないシーンや、道端に茂っていた雑草を指して、カリフォルニア大学の教授が「この葉っぱのしおれ方を見てください、これは奇形です、おそらく放射能で遺伝子レベルで破壊されたのでしょう、
【杉本崇、木村英昭】東京電力は30日、福島第一原発事故の対応を巡るやりとりを記録したテレビ会議の映像記録を報道記者に追加開示した。映像からは、高濃度放射能汚染水が海へ漏れ出す懸念が発電所から本店に伝えられていたにもかかわらず、本店側が打開策を示さず、約1週間後、海洋汚染を引き起こす過程が浮き彫りになった。 「なんかこう手をこまねいてさ。死を待ってるような感じがしてしょうがないんだけどさ」。2011年3月30日午後6時38分、福島第一原発の吉田昌郎所長は、こう本店に訴えた。 吉田所長はさらにこの1週間ほど前から、1〜4号機のタービン建屋に水位を測るカメラの設置を訴えていた。「水が一番大きい問題だっていうことで、ずっと言ってんだけど」 気にしていたのは、原子炉から漏れ出す放射能に汚染された冷却水だった。建屋の地下に計約10万トンがたまっていて、3月27日には建屋と海の間の坑道に漏れている
【今直也】「うちの部下、みんなこの8日間ずっと徹夜してます。それから現場行きまくってます。注水し、点検に行き、火事を見に行き、それから油を定期的に入れに行ってます。もうこれだけでですね、線量的にもこれ以上浴びさせられないんですよ」 福島第一原発の事故から7日後の昨年3月18日。現場を預かる吉田昌郎所長は、本店が計画した高線量下の復旧作業にこれ以上部下を当たらせることを、被曝(ひばく)量の多さを理由に強い口調で拒んでいた。30日に東電が追加開示したテレビ会議の映像でわかった。 「被曝量がもうすでに200(ミリシーベルト)近く、もしくは200をオーバーしているような部下しかおりません。現場に行ってこういう高線量のところを結線(けっせん)して来いということは私は言えません」。事故発生以来、人員の補強を頼んでいるのに十分な対応をしない本店にいらだちが募り大演説となった。 続きを読むこの記事の続
作業員の甲状腺局所の線量 【大岩ゆり】東京電力福島第一原発事故の復旧作業で、最高1万1800ミリシーベルトの甲状腺被曝(ひばく)をした作業員がいたことがわかった。一般的に甲状腺がんのリスクが増えるとされる100ミリシーベルトを超えた作業員は少なくとも178人いた。東電はこれまで、作業員の甲状腺被曝の詳細を公表しておらず、世界保健機関(WHO)の求めに応じて報告していた。 東電はWHOに対し、作業員のうち、全身の内部被曝線量が比較的高いと考えられ、甲状腺被曝線量検査を受けた社員や関連企業などの社員522人のデータを、年齢などの個人情報を除いて提供した。近く公表されるWHOの報告書によると、1万ミリシーベルト超は2人、1万〜2千が10人、2千〜1千が32人、1千〜500が50人、500〜200が69人、200〜100が15人いた。全身の場合1万ミリシーベルト超の被曝は致死的だが、甲状腺局所
甲状腺被曝、最高1万2千ミリシーベルト WHO報告書 関連トピックス 原子力発電所 東京電力 作業員の甲状腺局所の線量 【大岩ゆり】東京電力福島第一原発事故の復旧作業で、最高1万1800ミリシーベルトの甲状腺被曝(ひばく)をした作業員がいたことがわかった。一般的に甲状腺がんのリスクが増えるとされる100ミリシーベルトを超えた作業員は少なくとも178人いた。東電はこれまで、作業員の甲状腺被曝の詳細を公表しておらず、世界保健機関(WHO)の求めに応じて報告していた。 東電はWHOに対し、作業員のうち、全身の内部被曝線量が比較的高いと考えられ、甲状腺被曝線量検査を受けた社員や関連企業などの社員522人のデータを、年齢などの個人情報を除いて提供した。近く公表されるWHOの報告書によると、1万ミリシーベルト超は2人、1万〜2千が10人、2千〜1千が32人、1千〜500が50人、500〜200が69人
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