昨年1月15日に亡くなった大島渚(なぎさ)監督のドキュメンタリー作品「忘れられた皇軍」が半世紀ぶりにテレビで再放送される。DVD化もされていないため、幻の作品とされていた。ファンからもう一度見たいとの声が多く寄せられ、大島監督の没後1年を機に再放送が決まった。 「忘れられた皇軍」は、1963年、日本テレビの「ノンフィクション劇場」で放送された約30分間の映像だ。日本軍に従軍し戦傷を負いながら、戦後、韓国籍となり社会保障制度からはじかれた元兵士を追う。 戦争で失った両目からこぼれる涙をカメラはアップでとらえる。大島監督は「カメラは加害者」と話し、怒りや悲しみなど、戦傷者が感情をあらわにした瞬間を容赦なくアップで撮影。電車内や海水浴場など東京五輪前年で盛り上がる街と白装束で募金活動する姿の対比を映し出す。最後は「日本人よ、私たちはこれでいいのだろうか」というナレーションで締めくくっている。 放