宿命の別れときずな JR木次線・亀嵩駅 ぷらっと沿線紀行(3) 初めて、涙した映画だった。 トンネルに入るとトロッコ列車の天井にはヤマタノオロチのイルミネーションが浮かび上がり、幻想的な雰囲気に包まれる=島根県奥出雲町で 駅名を記した看板が特徴的な亀嵩駅。観光客たちが記念撮影をし、構内のそば屋に向かう 乗客にそばが販売される亀嵩駅のホーム。駅の運営もそば屋「扇屋そば」に委託されている 松本清張直筆の文字を刻んだ「砂の器」の記念碑(奥) 「亀嵩算盤」のそろばん=いずれも島根県奥出雲町亀嵩で 簸上鉄道の開通式で特等に乗り込んだ絲原家の家族ら(絲原記念館提供) 1974年、東京の映画館で見た「砂の器(うつわ)」。 気鋭の作曲家として成功しながら、殺人容疑をかけられている息子(加藤剛)の写真を見せて関係を問う刑事(丹波哲郎)。元ハンセン病患者の父(加藤嘉)は号泣しながら叫ぶ。「そんな人、知らね」