興南―日大三 6回表興南1死二塁、1死をとり、仲間に声を掛ける投手の山崎君=飯塚晋一撮影 (3日、興南10―5日大三) 春の甲子園決勝で、敗れはしたが見事な投球を見せた日大三のエース山崎福也(さちや)君は、2年前に小児脳腫瘍(しゅよう)の手術を受けていた。動けなくなるリスクもあると言われた手術を乗り越えて活躍する姿は、病気と闘う子どもたちやその親を勇気づけている。 今年の開会式は3月21日。日程を聞いたとき山崎君は思った。「お。運命的だな」 腫瘍が見つかったのは高校入学直前の冬だった。いい機会だから、と母の路子さん(48)に勧められて受けた精密検査でわかった。 「野球なんか、とんでもない」「手術にも、脳幹などを傷つけて自発呼吸ができなくなったり歩けなくなったりするリスクがある」と数カ所の病院で言われた末、「全部取る自信がある」と言ってくれた北海道大学病院で手術を受けた。その日が「3