スウェーデン王立科学アカデミーは14日、2024年のノーベル経済学賞を米マサチューセッツ工科大学(MIT)のダロン・アセモグル教授、サイモン・ジョンソン教授と米シカゴ大学のジェイムズ・ロビンソン教授に授与すると発表した。授賞理由は「社会制度が国家の繁栄に与える影響の研究」。冷戦期の東西ドイツや北朝鮮と韓国のように、もともと同じ国家であっても導入した社会制度の違いによって経済成長に大きな差が出る

日本被団協は、広島や長崎で被爆した人たちの全国組織で、原爆投下から11年後の1956年に結成されました。当時は、日本のマグロ漁船、「第五福竜丸」の乗組員が、太平洋のビキニ環礁で行われたアメリカの水爆実験で被ばくしたことをきっかけに国内で原水爆禁止運動が高まりを見せていました。 日本被団協は、それから68年間にわたり、被爆者の立場から核兵器廃絶を世界に訴える活動や被爆者の援護を国に求める運動を続けてきました。 東西冷戦のさなか、国連の軍縮特別総会に3回にわたって代表団を派遣し、被爆者が、みずからの体験をもとに「ノーモア・ヒバクシャ」と訴え核兵器の廃絶を迫りました。 また、国連や世界各地で原爆の写真展を開くなど地道な活動を続け、原爆投下から60年となる2005年のノーベル平和賞の授賞式では、ノーベル委員会の委員長が、日本被団協について「長年、核廃絶に取り組んできた」と敬意を表しました。 核兵器
ことしのノーベル物理学賞の受賞者に、現在のAI=人工知能の技術の中核を担う、「機械学習」の基礎となる手法を開発した、アメリカの大学の研究者など2人が選ばれました。 スウェーデンのストックホルムにあるノーベル賞の選考委員会は、日本時間の8日午後7時前、ことしのノーベル物理学賞の受賞者にアメリカのプリンストン大学のジョン・ホップフィールド教授と、カナダのトロント大学のジェフリー・ヒントン教授の2人を選んだと発表しました。 ホップフィールド教授は人間の神経回路を模倣した「人工ニューラルネットワーク」を使って、物理学の理論から画像やパターンなどのデータを保存し、再構成できる「連想記憶」と呼ばれる手法を開発しました。この手法によって、不完全なデータから元のデータを再現できるようになりました。 ヒントン教授はこの手法を統計物理学の理論などを使って発展させ、学習した画像などの大量のデータをもとに可能性の
ことしのノーベル物理学賞の受賞者に、大気と海洋を結合した物質の循環モデルを提唱し、二酸化炭素濃度の上昇が地球温暖化に影響するという予測モデルを世界に先駆けて発表した、プリンストン大学の上級研究員でアメリカ国籍を取得している真鍋淑郎さん(90)が、ドイツとイタリアの研究者とともに選ばれました。 日本人がノーベル賞を受賞するのはアメリカ国籍を取得した人を含めて28人目で、物理学賞では12人目になります。 真鍋さんは現在の愛媛県四国中央市の出身で、東京大学で博士課程を修了後、アメリカの海洋大気局で研究を行いました。 そして、大気と海洋を結合した物質の循環モデルを提唱し、二酸化炭素が気候に与える影響を世界に先駆けて明らかにするなど地球温暖化研究の根幹となる成果などをあげてきました。 真鍋さんは現在、アメリカのプリンストン大学で上級研究員を務めていて、アメリカ国籍を取得しています。 アメリカのノーベ
リチウムイオン電池の模型を手に満面の笑みを浮かべる吉野彰さん(71)。1970年京都大学工学部卒業後、72年に旭化成工業(現・旭化成)に入社。2017年旭化成名誉フェローに就任。日本酒好きとして知られる(c)朝日新聞社この記事の写真をすべて見る 吉野彰さんらリチウムイオン電池発明者たちにノーベル化学賞の栄光が輝いた。スマホなどで欠かせないこの電池の開発は、死屍累々の歴史でもあった。 * * * いつでも、どこでも、欲しい情報にアクセスできるスマホやノートパソコンに電気エネルギーを供給し続けて支えている「大容量電池」を私たちは忘れがちである。ストックホルムのノーベル財団は、リチウムイオン電池を発明したジョン・グッドイナフ米テキサス大学教授(97)、スタンリー・ウィッティンガム米ニューヨーク州立大学特別教授(77)、そして吉野彰旭化成名誉フェロー(71)の3人に2019年のノーベル化学賞を
ことしのノーベル賞の発表が10月7日から始まります。去年は京都大学の本庶佑特別教授が医学・生理学賞を受賞して大きな話題になりました。これまでにノーベル賞を受賞した日本人は、アメリカ国籍を取得した人を含めて26人で、27人目がなるか注目されます。しかし、地方の国立大学などを中心に、「研究資金が不足して苦しい」という声が上がっていて、専門家の中からはいずれ日本からノーベル賞を受賞する研究者はいなくなるという指摘もあります。(科学文化部記者 寺西源太) 厳しい現状について聞くために国立大学の島根大学の丸田隆典准教授を訪ねました。植物の機能の解明が専門で、国の派遣制度に選ばれてヨーロッパの研究所で留学した経験もあり、今は7人の学生を指導しながら研究を行っています。丸田准教授から出たことばは厳しいものでした。
アカデミーの会員3人「辞任」[ロンドン発]ノーベル文学賞を選考するスウェーデン・アカデミーの会員(選考委員)の夫で、自身もアカデミーと深くかかわっていた男性のセクハラ・スキャンダルへの甘い対応に抗議して、前事務局長を含む会員3人が6日、アカデミーの「辞任」を表明。9日にはこの男性が長年にわたって文学賞受賞者名を事前に漏洩していた疑惑まで浮上し、アカデミーの存続が危ぶまれる事態に陥っています。 アカデミーの会員(定員18人)は終身制なので制度上、自らの意思で辞任することはできず、死去するまで会員の補充もされません。アカデミーとしての意思決定を行うには最低でも12人の出席が必要です。数年前から会員のうち2人が活動を停止しており、今回3人が「辞任」表明したことで活動している人数が13人になってしまいました。 今の規約のままだと、あと2人「辞任」すればアカデミーは機能停止に陥る恐れがあります。 発
スイス・ジュネーブで、ノーベル平和賞の受賞が発表され、団体のロゴが入った横断幕を見せる反核団体「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」のビアトリス・フィン事務局長(右)ら(2017年10月6日撮影)。(c)AFP/Fabrice COFFRINI〔AFPBB News〕 今年のノーベル賞は非常に分かりやすいですね。 ポイントは、昨年のノーベル賞の決定が10月、授与が12月、その間に11月があった、ということに尽きます。 2016年11月、つまり悪い冗談のような米大統領選挙での共和党保護主義政権の成立、「ドナルド」大統領就任という、欧州としてはただ単に困った結果が出たことへの穏当な疑義が、文系側については3連発で発せられたと見ると、きれいに整理して見えるように思います。 2016年のノーベル文学賞から 先にお断りしておきますが、今年の文学賞、カズオ・イシグロの仕事については、別途原稿を準備
ノーベル賞のパロディーとしてユニークな研究に贈られる「イグ・ノーベル賞」の授賞式がアメリカのハーバード大学で行われ、メスにオスのような生殖器がある昆虫を発見した北海道大学などの研究者が「生物学賞」に選ばれ、日本人の受賞は11年連続となりました。 このうち、「生物学賞」は北海道大学の吉澤和徳准教授と、慶応大学の上村佳孝准教授らが受賞し、日本人は11年連続の受賞となりました。 吉澤准教授らは、ブラジルの洞窟で、メス側の生殖器が伸縮可能な形で、オスの腹部に差し込まれる「チャタテムシ」の仲間の昆虫を発見しました。 この昆虫は、メスがオスの腹部から精子を受け取って生殖するということで、性の違いを考えるのに重要な示唆を与えるとされています。 研究内容が発表されると、会場は困惑した雰囲気になりましたが、吉澤准教授らが「世界中の辞書には、男性の生殖器は男性のものと書かれていますが、私たちの発見によってすべ
ノーベル医学生理学賞の受賞決定を受け、都内で開かれた記者会見中に、安倍晋三首相と電話で話す東京工業大学栄誉教授・大隅良典氏(2016年10月3日撮影)〔AFPBB News〕 日本が生んだ超横綱級の大業績、人類の生理学史を振り返っても中々比肩するものがないと言って決して大げさでない大隅良典先生のオートファジー、自食のメカニズムを考えるうえで、自動車の「車検」を例に挙げるといいのではないかと(勝手に)考えましたので、そのような論旨で以下、検討してみたいと思います。 「車検」は正確には自動車検査登録制度というのだそうです。この原稿を書くために調べて初めて知りました。ウィキペディアによると、 「自動車検査登録制度(じどうしゃけんさとうろくせいど)とは、日本でミニカー・小型特殊自動車を除く自動車や排気量250cc超の自動二輪車に対して保安基準に適合しているかを確認するため一定期間ごとに国土交通省が
2016年度のノーベル医学生理学賞を大隅良典先生が単独受賞されました。完全に日本発と言っていい、基礎生物科学の横綱級の業績が正統に評価され、個人的にも心から嬉しく、最高のお祝いを申し上げたいと思います。 と言うのも、内外研究機関にはまるで国策のように「ノーベル賞を取れ、取れ」といった圧力がかかっている趨勢と関係に、御本人の問題意識から立ち上がる基礎的な課題に1人で取り組まれ、人類史に貢献される大きな成果を出されたからです。 また率直に記しますが、かなり不遇な環境の中で、流行やら資金の流れやら政治やら、学術の本質と関わりのない一切を切り捨ててこられた。 それが正面から「単独受賞」という形で評価された。この圧倒的なオリジナリティにこそ、日本は注目し、学びかつ襟を正すべきだと思うのです。 死と再生の新しい形 いろいろ経緯があり、日経ビジネスオンライン「常識の源流探訪」などの連載でオートファジーに
【AFP=時事】今年のノーベル文学賞(Nobel Prize in Literature)に米歌手のボブ・ディラン(Bob Dylan)氏(75)が選ばれたことを受け、文壇には「衝撃が走った」と言っても、まだ控えめな表現になるだろう。 【写真7枚】ボブ・ディラン氏の軌跡を振り返る 今年の候補としては、シリアの詩人アドニス(Adonis)氏やケニアの小説家・批評家のグギ・ワ・ジオンゴ(Ngugi Wa Thiong'o)氏が有力視されていた。ディラン氏の受賞は、戦慄(せんりつ)や当惑、歓喜といったさまざまな反応で迎えられた。 フランスの小説家、ピエール・アスリーヌ(Pierre Assouline)氏はAFPに対し、「ディラン氏の名はここ数年頻繁に取り沙汰されてはいたが、私たちは冗談だと思っていた」と語り、選考委員会に対する憤りをあらわにした。
ノーベル医学・生理学賞の受賞決定を受け、都内で開かれた記者会見に臨む、東京工業大学栄誉教授・大隅良典氏(2016年10月3日撮影)。(c)AFP/Toru YAMANAKA〔AFPBB News〕 受賞理由となった「オートファジー」は、酵母から人類まで、実に幅広い生物の細胞内で起きている現象です。それだけ「生きることの根源」に直結した、普遍的なメカニズムといえます。 オートファジーの作用を一言で表すなら、細胞内の「ゴミ掃除」です。 あらゆる生き物の体は、細胞でできています。人体は、約60兆個もの細胞の集合体。一方、酵母は、1個の細胞が1個体になる「単細胞生物」です。 人間でも酵母でも、細胞の中には、タンパク質の分子が高濃度で存在しています。タンパク質はとても傷みやすい分子で、熱や酸化反応によって簡単に変性してしまいます。 でも生きている以上、細胞の中では、熱を発したり酸化を進めるような“危
ノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった大隅良典さんが研究する「オートファジー」は、ヒトのさまざまな病気に関係していることが明らかになってきています。かつて大隅さんのもとで研究を行い、現在は大阪大学大学院教授の吉森保さんは、「日本はこの分野で世界をリードしているので今後、医療への応用につなげていけるよう、さらに研究を進めたい」と話しています。 その後、吉森さんは大阪大学に移って研究を続け、去年、学内に新たな研究スペース「オートファジーセンター」を立ち上げました。ここでは臨床の医師と基礎の研究者がお互いのノウハウや知識を共有しながら病気のメカニズムの解明や新たな治療法の開発に取り組んでいます。 そうした病気の1つが肝臓に脂肪がたまる「脂肪肝」です。吉森さんたちは、通常のマウスと、オートファジーを人工的に強く働かせたマウスに脂肪を大量に含んだエサを与え、肝臓の状態を調べました。その結果、通常のマ
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