(ジャーナリスト・近藤大介) 文在寅大統領は、いまから一年半前の昨年5月10日に、第19代韓国大統領に就任した。その前日に大統領選挙が行われたが、選挙に先立って、計3回にわたって有力候補者たちによるテレビ討論会が開かれた。私はその模様を、インターネットテレビの生放送で見たが、文在寅候補のスピーチは、他の候補者たちを圧倒していた。経済、安保、教育、福祉・・・どの問題を論じても、トレードマークの白い歯を見せた作り笑いを浮かべながら、完璧に答えた。ひところ国民的人気を呼んでいた安哲秀候補などは、文在寅候補の「引き立て役」にすぎず、誰が次期韓国大統領にふさわしいかは一目瞭然だった。 かくして大統領選に圧勝した文在寅氏は、大統領就任演説で、「手ぶらで青瓦台(韓国大統領府)に入り、5年後には手ぶらで出ていく」と宣言。ろうそくデモによって朴槿恵大統領を引きずり下ろした韓国国民は、熱狂して新大統領を迎えた
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