新型コロナウイルスの感染拡大による深刻な経済的打撃を受けて、各国で巨額の経済対策が打ち出されている。その中で生活支援や失業対策ばかりが注目されるが、見逃してはならない動きがある。3月下旬、欧米各国では「対内投資規制の強化」と「国家ファンドの設立」という、企業の買収防衛策が相次いで発表された。「コロナ・ショック」による株価急落によって、重要企業が外国企業に買収されるリスクを警戒したものだ。特に中国系ファンドへの警戒が高まっている。 対内投資規制の強化については、欧州委員会が加盟国に対して強化を要請し、オーストラリアも緊急に強化した。 注目すべきはドイツ、米国による国家ファンドの設立だ。いずれもこれまでの厳格な対内投資規制に加え、自国の重要企業が買収されるのを阻止するために国家ファンドを活用しようとしている。 欧米各国で相次ぐ重要企業の買収防衛策 例えば、ドイツは約72兆円の経済安定化基金を設
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