9月9日、バイデンは習近平に電話を掛けて「衝突を避けたい」旨の意向を伝えたと日本では報道されているが、バイデンは本当は何と言ったのか、何を言わなかったのか。米中双方の公式報道から読み解く。 ◆日本での報道 日本での報道は、たとえば9月10日の時事通信社の「衝突回避で双方に責任 中国主席と電話会談 米大統領」などが一般的で、【ワシントン、北京時事】という米中双方の情報から書かれているので読み解きやすい。 それによれば、ホワイトハウスは、米中間の競争を紛争に転じさせないための「両国の責任」について議論し、両首脳は利益が重なる分野と、利益や価値観、視点の異なる分野について「広範な戦略的議論」を行ったとのこと。また、バイデンは習近平に対し、インド太平洋地域と世界の平和や安定、繁栄に関する米国の揺るぎない利益を強調したともある。 一方、中国共産党機関紙・人民日報(電子版)によると、習近平は「一時期か