プーチンの「狙い」 ロシアのプーチン大統領は3月31日、ロシア産天然ガスを購入する場合に自国通貨ルーブルでの支払いを義務付ける大統領令に署名した。ロシア国営ガスプロムのパイプラインを通じた欧州への天然ガス輸出が対象となり、4月1日から開始される方針だ。 実はこれ、世界の基軸通貨ドルに長期的にダメージとなる一手となるかもしれない。バイデン大統領がロシア政策の対応に悪手を用いてしまったからだ。 まずは、ロシアを巡る最近の情勢から見ていこう。 ロシアが構築した天然ガスのルーブル建ての支払いのスキームは以下の通りだ。 ロシア産天然ガスを購入する欧州企業は、欧州連合(EU)の金融制裁から除外されているガスプロムバンクにユーロ建てとルーブル建ての決済口座を両方開設する。 ガスプロムバンクは振り込まれたユーロを市場で売却して、ルーブルを買い入れ、ルーブル建てで代金をガスプロムに送るというものだ。