2022年10月19日 田中 宇 西アフリカの諸国でクーデターが頻発している。この2年間にブルキナファソとマリで3回ずつ、国軍の将校によるクーデターで政権が転覆されたほか、ギニアやモーリタニアなどでも起きている。特筆すべきは、これらの合計9回のクーデターのすべてが、米軍の訓練を受けたことがある軍人によって起こされたことだ。米軍は、アフリカなど世界中の親米的な途上諸国の軍人に対し、テロ対策や反乱抑止、治安維持などの軍事機能を訓練してきた。建前上、その目的は途上諸国の民主的な政治安定や経済発展に貢献するためだ。だが実際は、米軍の訓練に参加した西アフリカ諸国の軍の将校たちが、米軍から教わった軍事技能を活用して、自国の現職の政権を倒すクーデターを挙行し、非民主的な軍事政権を作っている。ブルキナファソやマリでは頻繁に(今年2回ずつ)クーデターが起こり、政治の不安定と経済の破綻を招いている。米軍による