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脳が動作している時、脳内の二つのネットワークが「分業」しているのではないか、という説がある。その二つのネットワークは、cingulo-opercularネットワークとfronto-parietalネットワーク。 この説では、cingulo-opercularネットワークは、課題をこなす間、安定したパフォーマンスを残すために重要な役割を果たす。一方、fronto-parietalネットワークは、課題に取り組み出したり、パフォーマンスレベルを積極的に調整するように働く。 アナロジーを考えるならこうかも。 大学に、事務の人たちと研究者たちがいる。 事務の人たちは、大学での研究パフォーマンスが維持できるような環境を整えてくれる。そして、研究者が実働部隊として働く。 この例えでいうなら、事務の人たちがcingulo-opercularネットワーク、研究者はfronto-parietalネットワークに
重篤な脳外傷によって最小意識状態(minimally conscious state、以下MCSと略)が長く続いた一人の患者さんに対して、脳深部にある神経核、視床を電気的に刺激することで、意識レベルと行動の改善が見られた。その報告がネイチャーに掲載された。 この報告は、新聞からブログまで、様々なメディアで紹介されている。 例えば、ニューヨークタイムズでは、この報告の倫理的側面を強調しているのが印象的だった。 この報告を扱ったネイチャーの記事で、あくまでも今回の報告は一人の患者さんの報告であり、誇張されるべきではない、といったニュアンスの慎重な表現が印象的だった。 今回の報告に深く関わったSchiffという人は次のようにコメントしている。 There will be a subset of patients who are responsive to this approach. この方法に
unnatural amino acid。 非天然アミノ酸と訳したら良いか。 ほとんどすべての生物が使っているアミノ酸は20種類。 それ以外の非天然アミノ酸を、タンパク質に人工的に組み込むことで、そのタンパク質の性質を変える技術がにわかに注目されている。 新着のNature Neuroscienceに掲載されたWangたちの研究によると、その非天然アミノ酸を遺伝的に組み込んだポタシウム(カリウム、potassium)チャネルを神経細胞で発現させることに成功している。 そして、そのポタシウムチャネルの性能(不活性化成分の時定数)を変化させることに成功している。 研究では、大腸菌のtRNAを哺乳類の細胞、特に神経細胞でも発現できる方法使って、非天然アミノ酸を組み込む技術を確立している。 その応用例として、Nタイプのポタシウムチャネル(Kv1.4)の不活性化に重要なアミノ酸を、非天然アミノ酸に置
今、脳の中で、活動し始めた二つの神経集団がいたとする。 この二つの集団がリズムを刻みだし、そのリズムが揃った時はじめて、その二つの集団のコミュニケーションが成立する。 あえて細かい部分を省いて言ってしまえば、そんな説がある。 ここで重要なポイントは、単にリズムを刻むだけでなく、リズムのサイクル・位相も揃うことが大事、という点。 リズムとしては、ガンマ帯域(30−100Hz)という比較的早いリズムが注目されている。 Science. 2007 Jun 15;316(5831):1609-12. Modulation of neuronal interactions through neuronal synchronization. Womelsdorf T, Schoffelen JM, Oostenveld R, Singer W, Desimone R, Engel AK, Fries
スパースコーディング(sparse coding)とは? 情報表現法の一つ。 たくさんいるニューロンのうち、ホンの一部のニューロンだけが活動して、 情報の重複をできるだけ抑えて情報を表現する方法。(自分なりの定義) 関連用語は、お婆ちゃん細胞説、efficient codingなど 対立する考えは、デンスコードや極端な分散表現(completely distributed population code)など 以下、そんなスパースコーディング絡みの論文を備忘録的にまとめる。 なお、海馬の場所細胞の話は基本的にはほとんどがこの問題とリンクしそう。だけど、ここでは範囲をあまり広げずにまとめる。efficient codeとしてストーリーを展開している論文も扱い切れていない。 --- まずは総説から Curr Opin Neurobiol. 2004 Aug;14(4):481-7. Spars
自分でもよくわかっていない部分があるけど、重要な論文なので、がんばってエントリーを作ってみる。 (あまり鵜呑みにしないでください。。。) (追記7/10:いろいろ誤解している点があったので、判明した範囲で訂正しました。下線部参照。他にもあると思うので、情報提供よろしくお願いします。) --- 問題意識 意志決定する時、いろんな状況を確認しながら、最終的な選択をする。 例えば、最終的な選択がAかBの二つで、意志決定するまでに状況証拠・判断材料がいくつか与えられるとする。 ネットで買い物をするとき、購入者の口コミ情報を参考にするのと同じ。 判断材料が与えられるたびに、Aの決断を下す(買う)か、Bの決断を下す(買わない)か、意志が揺れる。 そんな時、脳の中でどんなことが行われていそうか説明する仮説として、"log likelihood ratio"なる確率情報を、意志決定のために計算している、と
Nat Neurosci. 2007 Jun;10(6):743-753. Epub 2007 May 21. Supralinear increase of recurrent inhibition during sparse activity in the somatosensory cortex. Kapfer C, Glickfeld LL, Atallah BV, Scanziani M. 問題意識 大脳新皮質で情報処理が行われる時、興奮性細胞と抑制性細胞が活動する。 その回路内のニューロンが受け取る興奮性と抑制性の入力のバランスは、その細胞がどんな反応特性を示すかを決める一つの要因になる。 けど、その詳しいメカニズムはわかってなくて、特にどんなフィードバック、回帰性抑制回路が駆動されるのかわかっていない。その回帰性抑制回路を調べようというのが一つ目の問題意識。 さらに論争として
タイトルはふざけてますが、できるだけまじめにエントリーを作ってみます。 PLoS Comput Biol. 2005 Sep;1(4):e42. The human connectome: A structural description of the human brain. Sporns O, Tononi G, Kötter R. という2年前の総説で、この分野の先駆者でもあるSpornsたちが、The Human Connectomeを提唱している。 ヒトの脳内ネットワーク構造を調べて、機能と構造の関係を知り脳を深く理解しよう、という提案である。 何をするプロジェクトか? ヒトの脳内ネットワークをできるだけしっかり調べ尽くす、というプロジェクト。専門的な表現をすると、ヒトの脳の隣接行列・結合行列(connection matrix)を明らかにする、というプロジェクト。脳のどことどこ
ChR2についてまとめたエントリーを作ってみた。 関連エントリーはこちらとこちら。 --- ChR2とは? channelrhodopsin-2。藻の仲間クラミドモナス(Chlamydomonas reinhardtii)が持っている微生物タイプの視物質ロドプシン。1価と2価の陽イオンを通すイオンチャネル。ちなみに、ChR1ももちろんあって、こちらはバクテリオロドプシンともいわれ、水素イオンを通すイオンチャネルだ。 このChR2が哺乳類が持っているようなロドプシンと大きく違う点は、Gタンパクを介して他のイオンチャネルを制御するのではなく、直接イオンチャネルとして働くことができる点だ。もちろん、ロドプシンなので、ChR2が機能するにはレチナールが当然必要となる。(が、哺乳類で応用する時は、それが不用というのがミソ) --- ChR2の発見の経緯は? 2002、2003年に、立て続けに3つのグ
Nat Rev Neurosci. 2005 Dec;6(12):955-65. Exuberance in the development of cortical networks. Innocenti GM, Price DJ. という総説について。 --- 脳の発生・発達時期、余分な繊維をたくさん伸ばしておくという戦略を、脳は採用している。 発生・発達時期、右脳と左脳は、成熟期と比べものにならないくらい密につながりあっている。 Exuberant projection into the corpus callosum from the visual cortex of newborn cats Giorgio M. Innocentib, Lucia Fioreb, and Roberto Caminitib Neuroscience Letters Volume 4, Issue
これ、超便利です。(まだ使い始めたばかりですが) 科学論文をターゲットしたソーシャルブックマークサービス。 少し試して便利だと思った機能を箇条書きに: 1.Firefoxユーザー用ツールボタン このツールボタンをインストールする。登録したい論文のPubMedサイトを開いた状態で、ツールボタンの緑色ボタンをクリックするだけで登録できる。 2.Endnote出力機能 論文作成時にも使える。 3.論文PDFファイルアップロードOK PDFファイルをハードディスクにため込んで、あの論文のPDFどこだったか。。。なんて時間を浪費することが少なくなりそう。 4.コメント機能 論文に対するコメントも残せる。これに加えて、「重要度」を5段階評価でき、登録論文の差別化をできる。 5.翻訳機能 exciteの翻訳機能との連携もある。 このSesame!、ホントに便利です。みんなが使えば使うほど、どんどん進化し
人工内耳(cochlear implant)はneuroprosthesisの先駆的なシステム。 現時点、臨床・実用レベルに十分達している唯一のneuroprosthesisであると考えられる。 人工内耳によって、聴覚機能を失った人が、電話で会話をすることすらできる。 Proc Natl Acad Sci U S A. 2007 Apr 2; [Epub ahead of print] Evidence that cochlear-implanted deaf patients are better multisensory integrators. Rouger J, Lagleyre S, Fraysse B, Deneve S, Deguine O, Barone P. という研究によると、人工内耳を取り付けた人は、健常人よりも視覚情報を頼りに会話を理解することに長けていて、聴覚情報
何かアクションを起こしたら、結果が返ってくる。世の中の難しいところは、同じアクションを起こしたからといって、いつも同じ結果が得られるとは限らないこと。 けど、脳には、そのアクションと結果の関係を常にアップデートする能力が備わっている。というか、備わってないと、世の中渡っていけない。。。 以下の論文では、そのアクション−結果(報酬量)の関係をアップデート(適応)することと、まるで関連しているかのような活動を示すニューロンが、マウス前頭前野にいることを報告している。(導入部分はちょっと脚色してます。。。すみません。) J Neurosci. 2007 Mar 28;27(13):3548-59. Adaptation of prefrontal cortical firing patterns and their fidelity to changes in action-reward con
今日は、どういうコミュニティーがどういう運命をたどるか、という研究の話。 コミュニティーのたどる運命は、どんな規則性・ルールに従っているのだろうか? 「コミュニティー」といっても、2,3人の小グループから、数十人を超えるような大グループまで、様々。 では、大小のグループで従っているルールは違うのだろうか? つまり、コミュニティーは、そのサイズによってどんな運命をたどるか?というのが問題。 Nature. 2007 Apr 5;446(7136):664-7. Quantifying social group evolution. Palla G, Barabasi AL, Vicsek T. というネイチャーに掲載された論文によると、 1.小グループでは、コアとなるメンバーがいれば、そのグループは安定して存続できる。 2.大グループでは、メンバーが頻繁に入れ替わった方が安定して存続できる。
短いフラッシュライトの前後に短い音を鳴らすと、フラッシュが1回しかたかれてないのに、2回光ったように錯覚することがある。(こちらの論文) そんな不思議な錯覚の脳活動を調べた研究がこちら。 Early Cross-Modal Interactions in Auditory and Visual Cortex Underlie a Sound-Induced Visual Illusion Jyoti Mishra, Antigona Martinez, Terrence J. Sejnowski, and Steven A. Hillyard J. Neurosci. 2007;27 4120-4131 例えば、0msをスタートとして、 0〜10msにノイズ音 10〜15msにフラッシュライト 70〜80msにノイズ音 という刺激を提示すると、フラッシュライトが2回光ったように錯覚する。(
新着のJournal of Physiologyで、「脳−機械インターフェース」の特集が組まれている。概説がこちら。 Fetz、Schwartz、Donoghue、Wolpaw、この分野のパイオニアが総説を寄稿している。 直接神経細胞の活動を計測するBMI(brain-machine interface)と、マクロレベルの神経活動を計測する侵襲性がない・低いBCI(brain-computer interface) その話をバランスよく3つずつ取り上げている。 他にはNicolelis、Andersenがこの分野のパイオニアになるか。 その二人の代表的な論文は、こちらやこちら。 ちなみに、Nicolelisはスイスの心脳研究所のPIとしても名を連ねている。こちら。 --- 以下、つぶやき的エントリーを、、、 この分野がなぜ重要か?なぜ面白いか? 脳信号を使って義肢を動かしたり、新しい発想の
よく寝てよく学べ 勉強後に寝ると記憶の定着が良くなる、ということはいろんな実験で証明されている。では逆に、勉強前に十分睡眠をとっておくことも記憶の定着に重要なのだろうか? Walkerらの研究によると、徹夜明けの勉強は、例え勉強後に十分な睡眠をとっても、記憶の定着に悪いらしい。 実験では、被験者を2つのグループに分けて、4日間実験に参加してもらう。その2グループを徹夜組と普通組とでもしよう。 どちらのグループも、2日目の夕方にスライド写真を覚えるテストをやってもらい、その時の脳活動をMRIで計測する。そして、4日目の夕方に、またスライド写真を見せて、2日目のテストの時に登場したスライドかどうか答えてもらう。つまり、2日目テストした記憶がどれくらい残っているか調べる。 さて、徹夜組には、1日目から2日目のテストまで文字通り徹夜してもらう。その間、激しい運動は控えてもらって、インターネット閲覧
今日は聴覚三昧ということで、聴覚が絡んだ論文盛りだくさんです。 「感情」を表現するニューロン 怒った顔、怒った声。どちらも「怒っている」という感情に関しては、感覚刺激に関係なく共通している。では、そのような感覚刺激に左右されない、他者の感情を表現するニューロンが脳の中に存在しているのだろうか? ここで紹介する論文によると、扁桃体、特に中心核にそのようなニューロンが存在しているらしい。 J Neurophysiol. 2007 Feb;97(2):1379-87. Epub 2006 Dec 20. Responses of single neurons in monkey amygdala to facial and vocal emotions. Kuraoka K, Nakamura K. アカゲザルも表情と叫び声?で感情表現をすることに注目し、それを感覚刺激としてサルに呈示している。
正直、このエントリーを作るのは気が重いし、自分では役不足な気がするので、結構ためらった。けど、逃げてる場合でもないので、作ってみた。 (ですので、誤り・補足情報等をいろいろ指摘してください。) 紹介する論文はもちろんこちら。 Neuron. 2007 Feb 1;53(3):413-25. Stochastic emergence of repeating cortical motifs in spontaneous membrane potential fluctuations in vivo. Mokeichev A, Okun M, Barak O, Katz Y, Ben-Shahar O, Lampl I. こんな「ネガティブデータ、オンパレードの論文」がなぜNeuronという一流雑誌に掲載されるのか? その背景については、その昔pooneilさんのこちらで激しく議論されているの
お堅いタイトルだが、ニューヨーク・タイムズに自由意志(free will)に関する非常に面白い記事が紹介されていた。原文記事はこちら。 自由意志はない。この記事では、冒頭、「自由意志はない」と考えている学者のコメントが紹介してある。そして、意識と無意識の関係や、現代科学全体が抱えている問題などに話題が膨らむ。そして、最後は倫理問題や人生の話題にも及ぶ。 以下、長くなるが、この記事の内容を紹介してみる。(原文を読んだ方が早い&正確かも?です。。。) --- 自由意志はない 「自由意志はない」ことを、最近の実験が示唆しつつある(証明されたわけではない)、ということを受けて、有名人(故人も含む)のコメントがまず紹介してある。 まず、Michael Silbersteinという哲学者は 「自由意志は幻か?それが問題だ」 (Is it an illusion? That's the question
分子間相互作用に基づくネットワークレベルの解析に関する良い総説が出ている。 PLoS Computational Biology Modularity and Dynamics of Cellular Networks Yuan Qi, Hui Ge Full-text こういうネットワークレベルの解析が進むと、なぜ特定の遺伝子をノックアウトすると重篤な表現型がでるのに、別の遺伝子だとそうでないのか?ということが何となく見えてきたりする。 機能は相互作用の結果だと考えれば、「ノードの機能」を求める発想とは違った視点が見えてくる。 --- それはともかく、個人的な興味は神経細胞間相互作用だから、やはりアナロジー的に考えてこの手の研究をとらえたくなる。 図1に、現在のBiological Network Analysisの概観がまとめてある。 大規模スクリーニング ↓ ネットワーク構造解析 ↓
無意識から意識へのインパクト〜見えないものこそ邪魔をする〜 Greater Disruption Due to Failure of Inhibitory Control on an Ambiguous Distractor Yoshiaki Tsushima, Yuka Sasaki, and Takeo Watanabe p. 1786 サイエンスに掲載された非常に面白い論文。より詳しい解説はvikingさんのこちらにあります。 この研究ではまず、無意識と意識の境界より少し無意識側の刺激が、重要な処理の邪魔をする、ことを明らかにしている。 どういうことか? 視覚課題をやるときの「妨害刺激」の状態を変えてみると、その妨害刺激の知覚検出閾値付近で、妨害刺激の妨害度が高いことを示した。 どういうことか? その妨害刺激には「動くランダムドット」を使っていて、そのランダムドットの動きの「一致度」
世の中には、いろんなネットワークが存在している。ネットワークと言ってもその形は様々だ。 脳もネットワーク。 では、脳に似た形のネットワークが、世の中に存在しているだろうか? ネットワークのスーパーファミリー ネットワークの「スーパーファミリー」というコンセプトがある。 似た形・トポロジーを持つネットワーク同士が「ネットワークの大家族?」を構成している。そんな「大家族」がいくつかある。 下の論文がそれを明らかにした。 Superfamilies of Evolved and Designed Networks Ron Milo, Shalev Itzkovitz, Nadav Kashtan, Reuven Levitt, Shai Shen-Orr, Inbal Ayzenshtat, Michal Sheffer, and Uri Alon Science 5 March 2004 30
脳の中のスモール・ワールド 世の中で、相互作用が存在するところにはネットワークが存在し、ネットワークが存在するところは大抵スモール・ワールドになっている。そこでは、相互作用しているところを効率よく10もたどれば、大抵のところへ行き着くことができる。 --- 例えば、人間関係もネットワークで、スモールワールドだということがわかってきている。「友達の友達」を効率良くたどっていけば、あっさりと超有名人にたどり着けたりする。 --- 脳は? さて、脳はニューロンが相互作用して、情報をやりとりしている。マクロレベルで考えれば、「領野」どうしが相互作用して、情報処理をしている。つまり、脳もネットワークだ。 では、脳もスモール・ワールドか?というのが疑問として浮かぶ。特に、「働いている脳」がスモール・ワールドか?という疑問は、情報処理、特に情報処理の効率性を理解する上で重要だ。 ここで紹介する論文は、脳
我慢と脳 我慢する時、脳のどこが、どう働いているのだろう? ここで紹介する研究によると、前頭前野・背内側部という、右脳と左脳が接しあったところ、おデコと髪の生え際より少し後ろあたり?の活動が、行動を抑えること・我慢することに関わっているらしい。 そして、その前頭前野・背内側部が行動を抑えるための信号を、運動野という場所へ直接送っているらしい。その運動野は、行動・運動のためのより直接的な信号を作り出している。 --- その論文は Top-Down Control of Motor Cortex Ensembles by Dorsomedial Prefrontal Cortex Pages 921-931 Nandakumar S. Narayanan and Mark Laubach で、「ニューロン」に掲載されている。 --- どんな実験をした? 実験では、レバーをしばらく押し続ける、と
先日、Rieke研の論文を紹介したので、それに関連する論文を読んでみた。 Science. 1995 Jun 9;268(5216):1503-6. Reliability of spike timing in neocortical neurons. Mainen ZF, Sejnowski TJ. summary スパイクタイミングのreliablityについて調べた先駆的研究だ。スパイクタイミングのreliablityの話なら、ほぼ確実に、この論文が引用される。 --- モチベーションは? 皮質ニューロンの発火パターンが示す「ゆらぎ」(variablityの意味)は、単なるノイズなのか?それとも情報を運んでいるのか?という大きな問題にアプローチすること。特に、ニューロンのスパイク生成中の「内因的なノイズ」はいったいどれくらいあるのか?ということを実験的に調べている。 --- どんな実
ブログを引っ越しました。 新しいブログでは、エントリーの立て方を若干変えていく予定ですが、これからもどうぞよろしくお願いします。 なお、このlivedoor版ブログのブックマーク集をこちらで公開しました。 気になるキーワードをクリックすれば、関連したエントリーを見つけやすくなっていると思います。時間を見つけて、このブックマーク集に過去のエントリーを追加していきます。 これまでお付き合いいただき、ありがとうございました! すっかりご無沙汰のエントリーである。 忙しかったわけでも、死んでたわけでもない。 PCは死んだが。。。 前に水漏れのことを書いていた。 physical plantという整備部門的な部署に、度々連絡をしたにもかかわらず、誰も修理にこなかった。 そして、8月15日、わずか1時間のセミナーに出てる間に、disasterが発生した。 天井からの水漏れ被害が、その1時間で拡大。 P
マウス脳・遺伝子発現マップ Mouse brain map is complete 'Google of the Brain': Atlas Maps Brain's Genetic Activity Allen Brain Atlasが完了したようだ。41,000,000ドルという巨額の資金を投入して、わずか3年で21,000個の遺伝子発現のマップ調べ尽くしたことになる。無料で公開されているデータベースにちょっとアクセスしてみたが、さすがに使いやすそうな感じ。ツールなどもかなり充実していそうだ。 同時期にマウス脳の遺伝子発現マップ調べのプロジェクトがいくつか立ち上がっていたが、このプロジェクトがおそらく最も質が高い気がする。 さて、これをもとにどうするか?「ポストゲノム」とは違った、「画像」などの情報を扱うinformaticsをやらないといけない。これから数年後には、このような画像デー
最近何かと話題の脳-機械インターフェース。英語ではBrain-Machine Interfaceと言い、略してBMIと言われる。 このBMI研究の歴史と将来についてまとめた、非常に良い総説が出た。 --- その総説はTrens in Neuroscienceという雑誌の Brain–machine interfaces: past, present and future Mikhail A. Lebedev and Miguel A.L. Nicolelis 著者のNicolelisは、サルやラットのニューロン活動から外部の機械(ロボットアームなど)をリアルタイムで操作させることに、世界で初めて成功した研究チームのリーダでもある。 --- この総説のまとめ 総説に書いてあることを簡単にまとめると、将来性のことを考えると、センサー(電極)を脳に直接埋め込む「侵襲的なBMI」が良いのだが、現状
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