第173回直木賞の選考が終わり、オンラインで報道陣の取材に応じる選考委員の京極夏彦さん=東京都内で2025年7月16日午後8時3分、渡部直樹撮影 16日午後8時前、東京都内に設けられた芥川・直木賞の選考結果の発表会場。芥川賞に続いて、直木賞も「該当作なし」の紙が張り出された瞬間、待ち構えていた100人を超える報道陣はどよめき、方々から「えー」という声とため息が漏れた。 両賞とも該当作なしは1997年下半期の第118回以来27年半ぶり。90年にわたる両賞の歴史の中でもこれまでに5回しかなく、ここ数年はどちらかの賞で2作受賞が続いていた。それだけに、選考委員による記者会見では、議論の中身に質問が集中した。 選考は両賞とも午後4時に始まった。芥川賞で該当作品がないと発表されたのは午後5時50分ごろ。例年芥川賞発表のあと、まもなく発表される直木賞はなかなか結果が出ず、終わってみれば選考開始から約4