電気自動車(EV)向け電池の価格が1kWh当たり100ドルを切るタイミングで、業界最大手の中国・寧徳時代新能源科技(CATL)が価格破壊を仕掛けてきた。これを機に、電池メーカーの淘汰・再編が自動車メーカーを巻き込んで本格化しそうだ。荒波を乗り越えた企業だけが、次世代電池の競争に参加できる。 「CATLが大口顧客向けに大胆な値引きをしているようだ」。2024年夏ごろから、このような話を複数の電池関係者から聞くようになった。ある電池メーカーの幹部は「CATLが価格勝負で競合を潰しにかかっている」と明かした。 米Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)の予測では、2025年における電動車向け電池パックの1kWh当たりの価格は90ドル(1ドル=155円換算で約1万4000円)だ(図1)。2019年は同180ドル(約2万8000円)、2023年は同149ドル(約2万3000円)で、202