全国の開業医などで構成する全国保険医団体連合会(保団連)は24日、全国の歯科技工所のうち84%で後継者がいないとのアンケート結果を公表した。歯科技工士の高齢化も顕著で、27.5%が「5年後はやめていると思う」と回答。会見した保団連の歯科担当役員は「このままでは近い将来、必ず『入れ歯難民』が発生する」として、技工士の待遇改善などを訴えた。(長久保宏美) 歯科技工士 歯科医師の指示に基づき、入れ歯や差し歯、かぶせ物などを作る国家資格。厚生労働省の公表資料によると、2022年の免許登録者数は12万3870人。このうち、実際に業務に従事している人数は3万2942人で就業割合は26.6%。歯科技工の歯科保険点数は、市場価格である技工料を基準に公定価格が決まる特殊な仕組み。市場価格の値下げ競争が激しいため、労働実態や技術力、安全性が点数に反映されていないとの指摘がある。