書物のことを「本」というが、そもそも草木の根元を指すはずの「本」という字がなぜ書物を指すようになったのか知りたい。 語の意味と語の成り立ちの両面から調べたところ、参考となる次の文献を参照した。 (1)『暮らしのことば新語源辞典』 山口佳紀編 講談社 2008.11 957p 22cm ⇒ もっともわかり良い内容でしたので、抜書きして紹介。 書籍・書物のこと。「本」は、漢語では「草木の根、根に近い部分」をさすが、日本では「物事の根本・基本」という意味から、「規範や本来のもの」をさすようになった。そこから、「書写されるもとの書物」を「本」というようになり、転じて、書物一般を指すようになった。平安中期の『枕草子』の「物語・集など書き写すに、本に墨つけぬ」の例は、書写のもとになる書物の意味である。 (2)『日本語源大辞典』 前田富祺監修 小学館 2005.4 1273,7p 22cm ⇒ 抜書きし