ドイツの睡眠研究所で、筋肉と眼球の運動とともに脳波を記録する研究者。睡眠は脳の健康にとって不可欠であり、睡眠薬を使う人も多いが、新しい研究により、ある一般的な睡眠薬が、睡眠中に脳から老廃物を除去するプロセスを妨害する可能性があることが示された。(Photograph by Gregor Lengler, laif/Redux) 私たちは人生の約3分の1を眠って過ごすが、その間、体のスイッチは単純にオフになっているわけではない。なかでも脳は、眠っている間に多くの“家事”をこなさなければならない。その1つは自分自身の掃除だ。脳の「グリンパティックシステム」と呼ばれる複雑なネットワークには、脳内にたまった有害な老廃物(アルツハイマー病などの認知症と関連するアミロイドベータやタウタンパク質など)を洗い流す機能がある。 米ロチェスター大学医療センターの教授で、神経医学応用研究センターの共同ディレクタ