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コーヒー沼
blog.goo.ne.jp/maxikon2006
グラムシがその革命論の中で機動戦と陣地戦という語を使って考えていることを、私は2年前に知った。私自身の陣地戦主義という考えを反省して深めるのに何か役立つのではないかと想像してきた。しかし、グラムシの文は分かりにくい上に、いい訳が無いらしいという話も聞いていて、いまだに直接グラムシを読んではいない。しかし、ほとんど研究されていないらしいこの問題を、石堂清倫(いしどう・きよとも)氏が『現代変革の理論』(青木書店、1962年刊)の第5章で主題的に取り扱っているらしいことも分かった。ようやくこの本を手に入れたので、私見をまとめてみた。 1、グラムシの考え 石堂氏によると、グラムシの考えは次のようである。 「グラムシは革命闘争の形態を運動(機動)戦と陣地戦の2つに分けた。運動戦というのは、権力獲得のための革命的攻撃にあたる。われわれの常識では、革命概念はまずこの運動戦につきている。そしてそれなりの歴
精神現象学(原著は1807年) Phaenomenologie des Geistes 訳注付き全訳は2つしかありません。 1, 金子武蔵訳「精神の現象学」(岩波書店、上巻は1971年、下巻は1979年) 金子は生涯に3度、これを訳しています。生涯をこれの翻訳に捧げた人です。それが、可能な限りの文献を繙いて調べた努力に出ています。内容的には、特にイポリットの仏訳及び『ヘーゲル精神現象学の生成と構造』から多くを学んでいます。 原語を活かした訳語を創り出した点にも特徴があります。文脈の理解にやや難点がありますが、ドイツ語の理解も内容の歴史的背景の理解も正確です。不滅の訳業と言えます。日本における「精神現象学」研究の到達点を示すものです。 訳者が明治の人ですから、文体や単語が少し古くて今の人達にはとっつきにくいでしょうが、「精神現象学」の研究には不可欠のものです。これを参照しなかったために失敗し
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