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猫
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『デス博士の島その他の物語』をはじめて読んだのはいつだったか、 今では覚えていない。 その後『20世紀SF』に収録されたのを読んだが、感想としては 地味なファンタジーだな、というくらいでしかなかった。 一見して非常にわかり易く書かれているので、こちらとしては書いてあるとおり 「小説の人物が現実に現れ、ちょっとした大人の秘密を垣間見せる話」だと 受け取っていた。これだけでは、べつに驚くような話ではない。 小説がうまいとか、叙情的だとかいう部分は今ひとつ感じず、 けっこうそっけなくてあっさりした話にしか見えなかったのだ。 今回『ケルベロス』を読み、『アメリカの七夜』を読み、『ショウガパン』を読んで 中短編でのウルフの曲者ぶりを思い知らされた。 さらに若島氏の「デス博士ノート」の中で少し気になるところがあったので、 今回はこれを手がかりに、「デス博士の島」を再び廻って見ようと思う。 (以下、若島
3回続けて読み直して、ようやくその凄さの一端が垣間見えた作品。 ウルフにはめずらしく、読者に見えるところでいろいろと説明をつけているし ラストも一応きちんとしているので、さらっと読んでもきっちり泣ける。 その一方、再読を重ねることによって物語の見え方がどんどん変わってくる またもや底の見えない作品でもあるのだ。 こういう凝りに凝った作品が書けたのは、むしろ兼業作家だった強みかも。 小説1本で家族を養うには、ウルフの作風はちょっとマニアックすぎる。 やっぱり「ゲイマンほどのお金持ち」になるのは、なかなか難しそうだ。 例によってあらすじの紹介。 盲目の少年ティブと狂った教育長パーカー、そして教育長の召し使い役で 学校の用務員だったというニッティ。 社会からはみ出したこの3人が、コンピュータとロボットに管理された ディストピア感に満ちたアメリカを旅していくというのが、この話の おおまかな筋である
『虐殺器官』。このタイトルのインパクトと、帯に書かれた大森望氏による派手な紹介文 「イーガンの近未来で『地獄の黙示録』と『モンティ・パイソン』が出会う」という部分が やたらと気になったので、読んでみた。 読後の感想を言えば、大森氏のあの惹き文句は嘘ではないが、適切とも言いかねる。 イーガンを引き合いに出すほどのぶっ飛んだ科学や難解な話はなく、エスピオナージュ的作風は むしろアレステア・レナルズやチャールズ・ストロスのものに近いだろう。 『地獄の黙示録』も『モンティ・パイソン』も引用されてはいるが、前者は類型としての引用であり 後者は作中の遊びとしての要素が目立ちすぎ、皮肉として成立していないうらみがある。 といっても、別にこの小説がつまらなかったというわけではない。 事前に予想していたほど抽象的な話ではなく、より生々しいテーマを直截的に描いた作品だった、 というだけのことである。 本作を例
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