三国志、最初の「見せ場」といえば、「黄巾賊(こうきんぞく)の反乱とその討伐戦」となるでしょう。 ・この大規模な反乱が、結局は後漢の衰退の原因となり、つまりは群雄割拠時代到来の原因となる ・この討伐戦の過程で、曹操(そうそう)や劉備(りゅうび)といった後の主役が勢ぞろいする ・そうはいっても「黄巾賊」は物語全体の中では「かませ」役、若き日の群雄達のちょうどいい「力試しの相手」のように扱われる もっとも、このような「かませ」扱いは、物語としての面白さを追究するために史実の単純化を大胆におこなった『三国志演義(さんごくしえんぎ)』の影響が強いものとなります。実際のところは、どんな反乱軍だったのでしょうか? 今回は、この黄巾賊を、特にその首領であった「張角(ちょうかく)」という人物にフォーカスして考えていきます。すなわち、張角は本当に「かませ」程度のザコだったのか? いや、もしかしたら天下を狙える