私や姉がお布施に対して疑問を持ったのは、そもそもお布施という習わしの本質を肌感覚で理解していないからであろう。 お布施は葬儀屋に支払うサービス料とは違う。 かといって税金のように納める義務があるものでもない。 お経を読んでいただき、戒名をつけていただいたお礼の「気持ち」を表すものなのだ。 だから叔母にしてみると開基檀家としてはその他の檀家さんと同じ「気持ち」なはずがない、という訳だ。 ただ叔母にしてみても、闇雲に高額を包むようにと言ってきたわけではない。 以前同じ寺で葬儀を上げた際に、住職にそれとなしに尋ねたのだそうだ。 初めての葬儀なのだがお幾らくらい包んだものか見当もつかない、と。明確な決まりなどないものだから、どう答えるかと探ったのだったが、だいたいこれくらいですかね、と教えてくれたのだという。 叔母はそのときの額をメモで残しておいたのだ。 この辺り、風習や体面に重きを置いた叔母であ