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猫
art-alien.hatenablog.com
皆様、4ヶ月間のご無沙汰です…桂屋孫一で御座います(玉置宏調で:笑)。 昨年10月に仕事上の立場が変わってから多忙を極めて仕舞い、3月に漸く「はてなブログ」への移行を終えて更新して以来、何と4ヶ月振りのダイアリー。 今回は、僕のキャリアでも非常に重要な「里帰り」仕事に就いて…そう、先日出光美術館がクリスティーズを介して「プライヴェート・セール」での購入を発表した、「プライス・コレクション」の事だ。 事の始まりは、今から約2年半前…カリフォルニア州コロナ・デル・マーレのプライス夫妻宅を訪ねた時に、「コレクションの半分を売却したいので、売り先を探して欲しい」との依頼を受けた時の事(この時の様子は、NHKの番組でどうぞ)。 その時夫妻から、1.買い手は日本の公的な場所で、将来江戸絵画研究の日米の架け橋と為る事(夫妻のコレクションの半分は、既にロサンジェルス郡立美術館に寄贈されて居る)、2.コレク
今晩ニューヨークで開催された、クリスティーズの「Looking Forward to the Past」セールは、本当に凄まじかった。 大家で有るロックフェラー・センターからの指導で、今回から400席程減らされた会場に溢れんばかりの人が集まったこの「キュレーテッド・イヴニング・セール」には、19世紀から21世紀の3世紀に跨るアーティストの作品35点が出品され、売れなかったのはカルダーのモービル1点のみで、その売り上げは驚くなかれ、7億585万8000ドル(約847億円)…たったの34点で、で有る。 そしてもうニュース等でご存知だろうが、トップ・ロットは1億7936万5000ドル(約215億2000万円)で売れたピカソの「アルジェの女たち(ヴァージョン"O")」(→http://www.christies.com/lotfinder/paintings/pablo-picasso-les-f
今日は、昨日のダイアリーでも少し触れた、一昨日終了した日本・韓国美術オークション出品作品中の「ちょっと良い話」を。 この話の主役は、オークション・カタログ中のロット537、龍安寺旧蔵の「中国仙人図」4面と「河辺唐子図」2面の襖絵である。 先ず、この六面の襖絵の概要を説明せねばなるまい。この作品は1606年、細川氏(幽斎か三斎)に因って発注され、狩野孝信とその周辺絵師に拠って制作されたと云われている。明治政府に拠る「廃仏稀釈」政策に拠り、仏教寺院は財政困難に陥り什物を手放すが、京都の龍安寺もその例外では無かった。そして都合71面とも云われる龍安寺の襖絵群は、1895年に東本願寺に引き取られ、今回出品の6面は恐らく三井高昶の仲介に拠り(その件に関しては、1895年11月3日付の高昶の日記にその旨の記述が見受けられる)、九州の炭鉱王伊藤伝右衛門の元に移った。 その後この6面の襖絵は、九州でホテル
昨日は、オークションで売れなかった作品を頑張って売った。 これは「アフター・セール」と呼ばれ、エスティメイトよりも安く売る事に為るが、それでも売りたい顧客もいるので、意外と成立するのである。昨日は10万ドルつけて売れなかった屏風が9万ドルで売れたり、結構な商売が有った…「吉野山図」も今頑張ってやっている最中である。 氷点下まで気温が下がった夜は、中国陶磁器の老舗「繭山龍泉堂」の田中君と、食事。彼と長く話すのは初めてで有ったが、「等伯」を卒論にしたと云う彼とは、日本美術の話で盛り上がり、意見も色々と一致し非常に楽しかった。例えば先日の「等伯展」で、一番好きだったのは「松林図」では無く、実は智積院の襖絵「楓図」だったり、先年の「永徳展」では絶対的に「檜図」が一番、そして桃山期最高の絵画は、もしかしたらMETに在る山雪の「老梅図」なのでは無いか…等など。趣味が会う人との話は、本当に楽しいものだ。
昨日から、当社東京オフィスにて「オークション・プレヴュー」が始まった。因みにこの下見会は今日11時から、18時で終了するので、ご興味の有る方は是非。 今回の出品作は、「吉野山図屏風」(16世紀・紙本金地著色・六曲一双:35-40万ドル)、「沼池水禽図屏風」(16世紀・紙本墨画淡彩・六曲一双:30-40万ドル)、そして能面(価格帯:各5千-5万ドル)が7面。 初日の昨日は、数多くは無いが、観世、宝生(家元も!)、喜多各流の能楽師の方々、コレクター、美術史家や古美術商等の来場者が有り、モノを前にしてのこう云った人々との会話やディスカッションは、売れる売れないの話も有るが、より刺激的で勉強になる…筆者に取っても非常に貴重な時間なのだ。 そんな方々に混じり、先週末「ガチムチ茶事」(笑)でご一緒した、ライターのHM女史が来場。聞けば、東博での「長谷川等伯展」プレス内覧会の帰りとの事。筆者も、午後の一
先日新聞で、メトロポリタン美術館に展示中であった、ピカソの1904-5年頃制作のローズ・ぺリオドの傑作「ACTOR」が、レクチャー中にバランスを崩した来館者に因って、カンバスが破かれたと云うニュースを知った。 METに拠ると、構図的には支障の無い部分の裂だったらしいが、真偽の程は修復後の絵を観てみなければ、何とも云えない。それにしても可愛そうなのは、破いてしまった人である。わざとやった訳では無いし、レクチャーを聴いていた程だから、ピカソの大ファンかもしれない。 そんな人が時価90億はしようと云う名作にダメージを与えてしまったのだから、「真っ青」位では済むまい。しかしこれをやったのが、もしオークション・ハウスの社員だったら、自責の念の余り自殺してしまうかも知れない…笑えないが(笑)。 美術品のプロからすればこの事件は、先ず金銭面で云えば、絵画には当然保険が掛けられているし、ダメージ面にしても
新年明けまして御目出度う御座います。 元日から大地震・航空機事故と悪いことばかり…犠牲者の方々のご冥福と、北陸の1日でも早い復興をお祈りする。 そんな中下らない話で申し訳ないが、小生明日1月3日18時よりテレビ朝日系で放映予定の「博士ちゃん」という番組で、「北斎」になりたい少年についてのコーナーに出演する。お暇な方はご視聴下さい。 本年も宜しくお願い申し上げ奉り候。 桂屋孫一 ーお知らせー *ウェッブマガジン「MONONCLE」に、「山口桂選:日本美術、今年注目の展覧会9」(→https://mononcle.art/story/page-19691/)が掲載されました。是非ご一読ください! *「Nikkei Financial」内に連載中のコラム「美意識を磨く」に、「独断と偏見の『2024年オススメ展覧会10選』」(→https://financial.nikkei.com/articl
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