ここからは雑駁な印象論というか感覚レベルの話になりますので、あしからず。 実はあることに思い当たってしまって以来、小熊氏の『1968』を読み進められなくなったんですヨ。小熊氏というのは基本的に、『〈民主〉と〈愛国〉』で扱った戦中世代の進歩的文化人というか、旧左翼のリベラル左派の人々を持ち上げる一方で、ただ騒いだだけでその旧左翼の遺産を後続世代に継承するのに失敗してしまった、全共闘(団塊)世代をdisっていくというスタンスを取るわけなんだけど、そのdisり方に何か見覚えがあったんですよネ。『1968』を読んでてキツイのは、方々でそのdisった軽蔑のまなざしが顔を出しているからなんですが、どうもその軽蔑の質って、80年代に、小熊氏もそのうちに含まれる新人類世代(≒おたく第一世代)が、上の全共闘世代を散々バカにしたときのそれとまったく同質だったような気がしてなりません。 結局アイツらは、イデオロ