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災害への備え
badcatsweekly.com
(by 葛西祝) 『シン・ウルトラマン』ははっきりとした失敗作であって、原作の『ウルトラマン』がこんな風にリメイクされるんだって偏愛が無ければとても観ていられない映画だった。少なくとも自分にとって、失望の多くは『シン・ゴジラ』のように原点を現代に解釈し直す試みがすべて空回りに終わっていたことだ。 “見慣れているはずのウルトラマンが、いま現実で最もシリアスな緊張感を反映した存在として解釈されるのでは”という期待にまったく応えられていなかったことが大きい。『シン・ゴジラ』で見せた現代的な視座を広げる内容を期待していた観客ほど、今回の出来に失望しているように思う。 成田亨のコンセプトに戻ろうとした意味は? こうした期待は自分だけが持っていたとは思わない。なにしろ公開前から公式のインタビューで原点の再解釈が語られていたからだ。 再解釈する試みで象徴的なのは今回のウルトラマンのデザインである。『シン
(by 葛西祝) その音楽は “文化的荒涼”のただ中にて、Twitterのタイムラインで称賛された。 オリエンタリズムのクリシェに塗れた演目が終わり、選手入場のイベントが始まる。噂された『ドラゴンクエスト』序曲が鳴り響き、各国から選手が競技場へ歩み始めた。オーケストラはやがて『ファイナルファンタジー』の勝利テーマへ変わり、さまざまなVGMへメドレーは遷移してゆく。だけど実況は、この光景を前にただの一言も何のゲームの楽曲であるか解説しなかった。抽象的な表現であるコンテンポラリーダンスでさえも何を象徴するかを親切に(無粋にも)説明していたはずなのに。NHKの放送ガイドラインに「商品名を挙げない」ルールがあるのはわかった。しかし、作曲者の名前を挙げることもなかった。 荒涼とした文化状況下でVGMが演奏されたことを純粋に喜べるほど自分は無垢ではなく、無知でもない。自分は普段、ゲームメディアでテキス
(by 蛙田アメコ) 『――お前さ、自分のこと才能があるって思う? じゃあさ、人から才能があるって思われてないってことには気づいてる?』 突き刺さるセリフ。 私は思った。 「うるっせええぇええぇ~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!」 と。 *** 2020年、7月17日より映画『劇場』が、劇場公開および各種動画配信サイトでの配信をスタートした。 Amazonプライム・ビデオでの全世界同時配信、そして日本のミニシアター20館での上映。新型コロナウィルスの影響だ。 行定勲監督。 山﨑賢人・松岡茉優主演。 いまや当代を代表する大文筆家である(注:当人はきっとこう称されることを嫌うでしょうし、『吉本興業のお笑いコンビ「ピース」の又吉』とお呼びすることがマナーなのでしょうが、筆者は売れている作家先生にバチクソに嫉妬を燃やすので、あえて嫌がる方の呼び方をしてやろうという嫌な動機でもって『当代を代表
様々なジャンルのゲストを呼び、テーマに沿ったトークセッションを行うイベント「trialog」。7月26日に行われたtrialog vol.6では「独学」をテーマに、ハリウッドで活躍するコンセプトアーティスト・田島光二氏をゲストにトークセッションが行われた。BadCats Weeklyでは編集長のとら猫と、ジャンル複合ライティング業者の葛西祝が現場を取材した。 今回はレポートを挟みつつ、とら猫、葛西に加え、人気ゲーム実況者のLayerQさんをお呼びし、それぞれにとっての独学について振り返ってみた。翻訳、実況、そしてジャンル複合ライティングにとっての独学とはなにか? 「独学」ってどう捉えているの? 葛西祝:ジャンル複合ライティング業者の葛西です!今回のtrialogでテーマになった独学、本当に人によって違うと思うんですけどどうですかね?みんなバラバラの職種ですし。 とら猫:ええと、翻訳者のとら
【連載/スローな落語家と暮らしてる】第2話: 落語家が授ける、麦茶をすばやく作るライフハック 2018 9/27 ■麦茶、すぐなくなる■ 「麦茶もうない、もうだめだ」 2018年、夏。行ってしまった、平成ラストサマー。 一体どれくらいの家庭でこのやりとりが繰り返されたのか、考えるだけで天文学的な気持ちになります。水出し麦茶というものは、どうして「飲みたい今」と「麦茶完成の瞬間」があんなにもかけ離れているのでしょうか。そして、いったいどれだけの人間がこの夏、麦茶完成を待つことなく「なんとなく茶色い気がする水」に氷を放り込んで飲み干したのでしょうか。考えるだけで無量大数的な気持ちになります。麦茶が飲みたい。今すぐに。……そんなアナタの願い、叶います。そう。家にスローな落語家がいれば。 ■落語家と麦茶■ 配偶者が落語家です。そうです、あの落語家です。 そう……わたしも結婚して知ったのですが。落語
(聞き手: とら猫) ゲームの翻訳と一口に言っても、大作ゲームとインディーゲームとではローカライズの方法論において実際大きな違いがある。 そこで今回のインタビューズでは、そうしたインディーゲームの翻訳を数多く手がけてきたゲーム翻訳者、伊東龍氏をゲストに迎え、氏が今年翻訳したヒット作「Dead Cells」の話題を中心に、インディーゲーム翻訳ならではのエピソードや、禁則処理と格闘した日々、そして氏が長年取り組むゲーム制作の話などについて伺った。(注:初掲載時の前・中・後編を一本にまとめてあります) “やられたら終わり”という緊張感が面白さを増幅させ、何度でも挑戦したくなります。 とら猫(以下、猫):まずは「Dead Cells」というゲームについて、ざっとご説明ください。 伊東龍(以下、伊):本作は今年の8月に発売(Nintendo Switch、プレイステーション4、PC)された、簡潔に言
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