※前置き 今回の感想は、『響け!ユーフォニアム』系列の作品ではなく山田尚子監督作『リズと青い鳥』という前提を踏まえている。 この2つを同系統の作品として扱うとユーフォのバイアスがかかってしまい、この作品の内容を細かく見ることができないと考えたからだ。 観た人は分かる通り、冒頭1カット「disjoint」は、最終1カット「joint」に変わる。 disjoint、日本語だと「互いに素」。作中の授業シーンでもあったが、これは互いに共通の公約数を持たない数の関係性を言う。これは順当にみぞれ、希美の関係性のメタファーだと考えられる。2人は2人で1セットであるかのようだが、実際は違う。それをまざまざと見せつけられたのが今作だった。 特に印象に残ったシーンをあげると、まずは中盤のハグシーン。 希美の○○が好き、○○が好き....と挙げていくみぞれに対し、希美はみぞれのオーボエが好き の一つだけ。みぞれ