全ての生物は、それぞれの体内にその生物を形づくるために必要な「設計図」のようなものを持っています。その設計図は、それぞれの生物に固有のもので、ヒトや鳥、花や昆虫ではそこに書き込まれている情報(遺伝情報)が違っています(図1)。この設計図上の情報はコピーされて親から子に代々受け継がれて(遺伝して)いくため、ヒトからはヒトが生まれ、鳥からは鳥が生まれます。決してヒトから鳥が生まれることはありません。 図1. ヒトにはヒトの、鳥には鳥の「設計図」が体内にある それぞれの生物の設計図はどの様なもので、そこにはどのように遺伝情報が書き込まれているのでしょうか? 設計図は、細胞の中にあるDNA (デオキシリボ核酸)からできており、ヌクレオチド分子(詳細は「4.DNAとは」を参照)の並びで表わされ、生物の「形や性質」(形質)を決める全遺伝情報が書き込まれています。 どうやらDNAが、ゲノムの正体を探るた