陳寿(ちんじゅ)が著した『三国志』の内容は簡潔というかあまりにも簡素ですから、陳寿の記した文字だけを追って三国時代を理解するのは現代の私たちにとっては難しいものです。そんな私たちを助けてくれるのが東晋時代に裴松之(はいしょうし)が付した『三国志』の注。 この注が『三国志』だけではなく、『史記』や『漢書』、そして『後漢書』にも後世の学者によって付けられています。その中でも特筆すべきは、『史記』には3種類の注が付けられているということです。この『史記』に付された3種類の注は総称して「三家注(さんかちゅう)」と呼ばれています。今回は、この『史記』三家注とは何なのかを簡単に解説していきたいと思います。 監修者 kawauso 編集長(石原 昌光) 「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万