去る8月14日に安倍首相による総理大臣談話が出された。閣議決定された「総理大臣談話」は、個人的見解を述べた「総理大臣の談話」と異なり、日本政府の公式見解として内閣が変わっても引き継がれるものという*1。つまり戦後70年談話は、単に日本政府の見解を表明したものではなく、どのような戦争認識に基づいて、どのように今後の戦後処理に取り組んでいくのかという方向性を示したものであり、実効性を伴った表明と考えられるだろう。 外務省HPに全文が掲載されているが、一読して以下の2点に違和感を感じた。 第1点は、注目されていた4つのキーワードの「植民地支配」という語句の扱いである。それは談話中で3箇所使われている(赤字ボールドで示した)。 平成27年8月14日 内閣総理大臣談話 | 平成27年 | 総理の指示・談話など | 総理大臣 | 首相官邸ホームページ (1)百年以上前の世界には、西洋諸国を中心とした国