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猫
helvetius.hatenablog.com
網戸から入る蝉の鳴声、エアコンの室外機がたてる低音、扇風機は仕事をしてはいるものの、強い日差しに歯が立つわけもなく、諦めたように首を振り続けている。 先日渡邉格『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』を読んだ。三十路で一念発起パン屋の修行をする傍らマルクスの『資本論』を読みその資本主義の分析を自身のパン作りとクロスさせ、「菌本位制」や「腐る経済」といったユニークな、しかし鋭い資本主義批判を展開するとともに天然酵母によるパン作りと彼の生き方の困難と魅力を存分に伝える本となっている。資本主義批判を生きるそのスタイルに多くの人が触発されるであろう。そこにこんな話がある。著者の渡邉格さんは二十代半ばで父とハンガリーに滞在すること二ヶ月、彼らは「日本人会」が開く歓迎パーティに招待される。そこに集った同年代の華やかさを前にした惨めさに耐えきれず、隅で煙草を吸っていた彼のもとに、バレエをやっている女の子が
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