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パリ五輪
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近年、一般用医薬品(Over-the-counter drugs;OTC)の乱用が世界的に問題となっている。日本でもOTC乱用で精神科医療施設を受診する薬物関連精神障害患者が2020年は2012年の約6.5倍に増加したとの報告がある(保健医療科学 2021; 70: 252-261)。しかし、OTC乱用者の臨床的な特徴は十分には明らかになっていない。第120回日本精神神経学会(6月20~22日)で、千葉病院(千葉県)精神科の谷渕由布子氏が、複数のOTC乱用者では単一のOTC乱用者と異なる臨床的特徴が見られることを報告した。(関連記事「高校生の市販薬乱用が深刻化、規制も検討を」)
スマートフォンなどのデジタル端末を用いた健康管理アプリが普及しつつある。歩数やスクリーンタイムをはじめ、近年では睡眠状態を測定・記録できるアプリも開発されているが、利用者の健康維持・増進に有益かは明らかでない。筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)/同大学医学医療系教授の岩上将夫氏らと株式会社ポケモン、株式会社Askenの研究グループは、スマートフォンアプリ「Pokémon Sleep(ポケモンスリープ)」による睡眠管理の有効性の検証を目的に日本人成人を対象とした後ろ向き観察研究を実施。「ポケモンスリープの利用により睡眠潜時や総睡眠時間などの睡眠関連指標が改善し、睡眠潜時の改善が得られた者ではBMIの低下幅が有意に大きかった」と査読前論文公開サイトmedRxiv(2024年6月29日オンライン版)に報告した(関連記事:「5歳児の睡眠障害、有病率が判明」「『ポケモンGO』でメンタルヘ
世界で最も少子高齢化が進む日本では、医療費の増大に対応した医療制度改革が幾度も行われているものの、依然として医療費負担に対する世代間の歪みや診療単価の低さなど、さまざまな課題が指摘されている。そこで、株式会社AMI&I代表取締役の溝口博重氏をゲストに迎え、日本医療安全学会理事長で浜松医科大... …続きを読むにはログイン
ワクチン接種により発症または重症化を予防できる感染症(VPD)について、ワクチン接種が可能であるにもかかわらず接種を先延ばしまたは拒否すること(ワクチン忌避)は、個人の罹患リスクを高め、感染症の流行抑制を妨げるため、公衆衛生上の課題となっている。三重大学基礎医学系講座教授の神谷元氏に、日本において... …続きを読むにはログイン
(© Adobe Stock ※画像はイメージです) ワクチンのメリットはさまざまに評価される。一番シンプルなメリットは「感染しない」というものだが、それだけがメリットなのではない。 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンが提供するメリットは複数ある。 ① 感染しない ② 発症しな... …続きを読むにはログイン
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)よりもインフルエンザの方が、神経疾患により病院で治療を受ける可能性の高いことが、COVID-19またはインフルエンザにより入院した患者を追跡した新たな研究で明らかになった。米ミシガン大学アナーバー校のBrian Callaghan氏らによるこの研究結果は、「Neurology」に3月20日掲載された。Callaghan氏は、「われわれが予測していた通りの結果ではなかったが、COVID-19で入院しても、インフルエンザで入院した場合と比べて、一般的な神経疾患に対する治療が増えるわけではないことが分かった点では心強い結果だった」と同大学のニュースリリースの中で述べている。
Meiji Seika ファルマ記者説明会資料より RNAを鋳型としてRNAの複製を誘引する酵素レプリカ―ゼにより、既存ワクチンの6分の1~12分の1の有効成分量で十分な効果を持続的に示す1価次世代mRNA(レプリコン)ワクチンARCT-154(商品名コスタイベ筋注用)は、過去の検討で新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)起源株に対する有効性と安全性を示した。しかし、その後の流行状況が変化したことを受け新たな変異株に対応するワクチンの開発が待たれていた。Meiji Seika ファルマは3月19日に記者説明会を開催し、新たに開発した2価ワクチンARCT-2301が起源株、オミクロン株BA.4-5に同等の効果を示したと報告。ウイルスの変異にかかわらず発症予防効果を示すレプリコンワクチンのプラットフォーム化が完了したことを発表した。
© Adobe Stock ※画像はイメージです ブラジル・Universidade Federal do Rio Grande do SulのChristian Kieling氏らは、小児期から成人初期における精神障害の世界的な有病率を推定するため、世界疾病負担研究(Global Burden of Disease:GBD)研究のデータを用いて、世界の5〜24歳の25億人超を対象に横断研究を実施。その結果、世界の小児と若者の9人に1人が精神障害を有することが推定されたとJAMA Psychiatry(2024年1月31日オンライン版)に報告した。
(東京大学プレスリリースより) 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンについて、誤った情報や反対意見に影響を受けて接種を忌避する人がいる。ワクチンに関しては、ソーシャルメディア(SNS)の利用が忌避拡大の規模と速度を増幅させるとの報告があり、この機序の解明は公衆衛生上の課題となっているが研究は少ない。東京大学大学院工学系研究科教授の鳥海不二夫氏らは、日本でのコロナ流行下におけるTwitter(現X)の投稿(ツイート)1億件を解析し、ワクチン忌避に関連する因子を検討。政治的な陰謀論がワクチン忌避と関連するなどの結果をJ Comput Soc Sci(2024年2月5日オンライン版)に報告した。(関連記事「新型コロナ陰謀論に傾倒する因子を検討」「新型コロナワクチン拒否、その理由は?」)
便器の蓋を閉めてから水を流すと、水を流したときに発生するミストを便器内にとどめておくことができるため、細菌の拡散を防ぐことができると言われている。しかし、ウイルスの場合には、蓋を開けたまま水を流すか閉めてから流すかで、水を流している間のウイルス粒子の飛散量に変わりはないことが新たな研究で明らかにされた。米アリゾナ大学環境科学部ウイルス学分野教授のCharles Gerba氏らによるこの研究結果は、「American Journal of Infection Control」2月号に掲載された。
筑波大学人間総合科学研究科の大西安季氏らは、20~64歳の日本在住の女性を対象とした尿失禁に関するウェブベースの横断研究を実施。「平均43.4歳の女性2,503人における尿失禁有病率は25.5%だった」とWomens Health(2023; 19: 17455057231207754)に報告した。
2013年06月13日 17:32 今日の人類の繁栄が、われわれのもつ知性によるところが大きいことは、誰も疑う余地はないだろう。そして、この知性はこの先も、未来永劫(えいごう)、人類のさらなる繁栄に寄与していくものと多くの人が漠然と信じている。しかし、スウェーデン・ウメオ大学社会科学部のMichael A. Woodley氏(心理学)らが、5月7日発行の国際心理学誌「Intelligence」(電子版)に発表した論文によると、この100年間で欧米人のIQ(知能指数)は、確実に低下しているのだという。立派な羽根を持っていても飛べなくなった鳥がいるように、立派な脳を持っていても考えられなくなった人類、という未来だってあり得ないわけじゃない。 ビクトリア朝が絶頂期か 今から100年前の欧州といえば、すでに勢いづいていた産業革命によって、20世紀の大衆社会がまさに生み出されようとしていた時代であり
国立感染症研究所が発表する感染症発生動向調査週報「定点把握疾患(週報告)、累積報告数、定点当たり累積報告数、都道府県別」に基づいて、毎週の感染症報告動向をお届けする。 PDF版はこちら... …続きを読むにはログイン
2019年03月13日 06:00 ヒトや動物は恐怖や不安を感じるとドキドキして心拍数が上昇し、その場から逃げ出そうとしたり、物陰に隠れようとしたりする。危険を感じる状況でのとっさの判断やストレスを緩和するための反応は、脳内にある扁桃体と分界条床核(BNST)と呼ばれる神経の集まりがコントロールしている。東北大学大学院情報科学研究科教授の井樋慶一氏らは、恐怖や不安に対応する脳の神経の大きさやストレスホルモンの発現には男女差があることを発見。その結果を、米国の医学誌Biology of Sex Differences(2019; 10: 6)に報告した。 不安障害やうつ病には、ストレス反応の機能不全が関連 近年、精神疾患の中でもパニック障害や心的外傷後ストレス障害などを含む不安障害の患者が増加傾向にあり、特に女性で多い傾向が見られる。不安障害の発症には、身体的な要因や心理・社会的要因が関連す
国立感染症研究所が発表する感染症発生動向調査週報「定点把握疾患(週報告)、累積報告数、定点当たり累積報告数、都道府県別」に基づいて、毎週の感染症報告動向をお届けする。 PDF版はこちら ... …続きを読むにはログイン
研究の背景:単剤ではインパクト不足、日本ではほとんど使用されず フルボキサミンとブデソニド吸入といえば、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療として期待されていた薬剤である〔前者は選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、後者は吸入ステロイド薬〕。 ブデソニド吸入は、コロナ禍初期... …続きを読むにはログイン
ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を予防する9価HPVワクチンが4月1日から公費で定期接種化される。小学6年生~高校1年生(11~16歳)の女児が対象だ。2価・4価HPVワクチンより多くのHPV型をカバーしているため、子宮頸がんの発症率低下への期待も高い。年齢制限はあるが2回接種が可能になったことも、接種率向上や副反応軽減につながる可能性が高く、朗報だ。関係学会からも歓迎の声が相次いでいる。
研究の背景:筋肉痙攣・痙直に保険適用されているA型ボツリヌス毒素 「酢豚の中のパイナップルが悩んでる。ここは自分の居場所なのか?」 いきなり賛否両論のつかみから始めたが、今回紹介するのは「変形性膝関節症(OA)患者の関節はボツリヌス毒素の居場所なのか?」という論文である(JBJS Open Acc... …続きを読むにはログイン
BCGは結核予防だけでなく、さまざまな細菌やウイルスから体を防御する有益なオフターゲット効果を有することが知られている。中国・Sichuan UniversityのJiayu Wen氏らは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)予防に対するBCGワクチン接種の有効性を評価するため、ランダム化比較試験(RCT)のシステマチックレビューとメタ解析を実施。解析の結果、BCGワクチン接種はCOVID-19の罹患や重症化に対し有意な抑制効果を有さない可能性が示されたと、J Clin Med(2023; 123: 1154)で報告した。 約8,000例のコロナ陽性例を含む9件のRCTを評価 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンと異なりBCGワクチンは、抗原に依存しない方法で抗ウイルス宿主防御を強化することから、ウイルス変異が高頻度な状況ではより有益である可能性がある。しかし、近年の
ファイザー社製またはモデルナ社製の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン(以下、新型コロナワクチン)接種後のアナフィラキシーの発生率は、他のワクチンでの発生率に比べると高い。こうした中、この現状に疑問を投げかける小規模臨床試験の結果が報告された。同試験では、予防接種ストレス関連反応(ISRR)の症状の多くがアナフィラキシーの症状と酷似しているため、新型コロナワクチンでは、ワクチン接種後に生じたISRRがアナフィラキシーとして報告されるケースが多い可能性が示唆されたという。米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のMuhammad Khalid氏らが実施したこの研究結果は、米国アレルギー・喘息・免疫学会(AAAAI 2023、2月24〜27日、米サンアントニオ)で発表されるとともに、その要旨が「The Journal of Clinical Immunology」2月号(増
〔編集部から〕今年(2023年)1月20日、岸田文雄総理大臣は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染法上の位置付けについて、現在の「2類相当」から季節性インフルエンザと同じ「5類」への移行を検討するよう関係閣僚に指示した(関連記事 「【速報】今春にもコロナ「5類」へ、岸田首相が表明」)。... …続きを読むにはログイン
(13758299によるPixabayからの画像) コーヒーを1日に2杯以上飲む重症高血圧(160/100mmHg以上)患者では、心血管疾患(CVD)死リスクが2倍になることが分かった。大阪大学の磯博康氏らは、日本の大規模前向きコホート研究のデータを用いて重症高血圧患者におけるコーヒーと緑茶の影響を検討。結果をJ Am Heart Assoc(2022; 11: e026477)に報告した(関連記事「コーヒーの種類を問わずCVDリスクが低下」)。
近年、温水洗浄便座の使用がさまざまな肛門疾患と関連することが指摘されており、肛門失禁を誘引することも報告されている(J Anus Rectum Colon 2021; 5: 268-273)。しかし、どのような洗浄方法が肛門疾患の重症化に関連するかについては明らかでない。亀田総合病院(千葉県)消化器外科部長の角田明良氏は、肛門失禁患者の温水洗浄便座の使用中止前後における重症度の変化と温水洗浄便座の使用実態との関連性について検討。1日2回以上の使用が肛門失禁の重症化原因となる可能性があることを、第77回日本大腸肛門病学会(10月14~15日)で発表した(関連記事「温水洗浄便座が肛門疾患の原因に?」)。
日本感染症学会と日本化学療法学会が9月2日に共同で加藤勝信厚生労働大臣宛に提出した「新型コロナウイルス感染症における喫緊の課題と解決策に関する提言」(以下、提言)、および8日に発表した提言の「補足説明」。いずれも、7月20日の審議において主要評価項目を達成していないことを受け緊急承認が見送られた新... …続きを読むにはログイン
heike-trautmann by unsplash 欧米を中心にサル痘の感染が急拡大している中、サル痘・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)・HIV感染症の初の三重感染をしたイタリア人男性(36歳)の症例が報告された。イタリア・University of CataniaのSanti Nolasco氏らは患者の感染経緯と臨床症状、転帰についてJ Infect(2022年8月19日オンライン版)に発表した。COVID-19とサル痘には重複する症状があるため、サル痘流行地域への旅行歴のある患者に対しては既往歴と性的習慣についての問診を行う必要性があることを指摘。サル痘の陽性判明後は性感染症(STI)スクリーニングを行うことを推奨した。
日本の維持透析患者は30万例を超え、新規導入例は年間4万例と推計されている。透析導入の主な原因は慢性腎臓病などの腎機能低下だが、侵襲性が高い手術により腎臓に負担がかかり、予定外に透析を必要とするケースも存在する。東京医科歯科大学大学院腎臓内科学分野の中野雄太氏らの共同研究グループは、診断群分類包括評価(DPC)データベースを解析、周術期の透析導入および開始時期と予後との関連を検討。周術期に透析を開始した患者は日常生活動作(ADL)低下、院内死亡のリスクが高く、特に術後に開始した群で高かったとInt J Surg(2022; 104: 106816)に発表した。
適切な睡眠は健康維持に寄与するが、近年は睡眠時間だけでなく睡眠の質にも注目が集まっている。国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所睡眠・覚醒障害研究部精神生理機能研究室室長の吉池卓也氏は、起床時の回復感、リフレッシュ感である「睡眠休養感」の意義について、第47回日本睡眠学会(6月30日〜7月1日)で解説した。
日本における統合失調症の生涯有病率は、1940~1970年代に実施された疫学調査から0.19~1.79%と推定されている。しかしその後、大規模な疫学調査は行われていなかった。住友ファーマの馬塲健次氏、順天堂大学大学院精神医学講座主任教授の加藤忠史氏らの研究グループは、2019年に日本を含む12カ国で実施された大規模オンライン調査に参加した日本人3万人超のデータを解析。日本の統合失調症の生涯有病率は0.59%と推定されたとの結果をBMC Psychiatry (2022;22:410)に報告した。統合失調症患者のうち抑うつ症状や睡眠障害、不安障害がある者では、これらの問題がない者と比べて健康関連QOL(HRQoL)および労働生産性が低く、労働生産性の低下に起因した間接費用はほぼ2倍であることなども明らかになった。
©国立アレルギー・感染症研究所(NIAID) 米・National Jewish HealthのMax A. Seibold氏と米・Vanderbilt UniversityのTina V. Hartert氏らは、子を持つ約1,400家族・4,000例超を対象に喘息、アレルギー疾患と新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染について検討。その結果、喘息はSARS-CoV-2感染の危険因子ではなく、食物アレルギーがあると感染リスクが50%低くなることが分かった、とJ Allergy Clin Immunol(2022年5月31日オンライン版)で報告した。
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