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円安とは
minajump.hatenadiary.org
ごくごく私的なことを書きます。 長年に渡り指導をして頂いた、藤田弘夫先生のことです。 http://hiroofhp.hp.infoseek.co.jp/ (以下、敬称を略します) 藤田弘夫は、学部時代に西洋史を専攻し、大学院に進んでからは矢崎武夫らに社会学を学んだと聞いています。 矢崎武夫は、都市社会学のシカゴ学派の中心人物の一人であるルイス・ワースに学んでいるので、藤田弘夫はワースの孫弟子にあたります。考え方によっては、日本におけるシカゴ学派の主流とも言えるのかも知れません。ちなみにWikipediaでの「矢崎武夫」の項目は、藤田弘夫がまとめた文章をもとにしたものとなっています。藤田弘夫が「先生」と呼んでいたのは、僕が知る限り、矢崎武夫と、『歴史学的方法の基準』などの著書がある中井信彦のお二人でした。 学生時代にヨーロッパの諸都市を訪れ、文献で知った「都市」と実際の「都市」との違いに気
先週になってしまいましたが、9月4日の日経新聞朝刊社会面に「脳死移植 半年ゼロ」という記事がありました。 NIKKEI いきいき健康 ネット版では冒頭の2段落分しかありません…(今日のエントリーの最後に記事全文を引用しました) この7月に「臓器移植法改正」が国会で可決・成立したのですが、この半年間、脳死状態からの臓器提供事例が全く無い、というのがここで確認されていることです。7月14日のエントリーでは、「いつ「第82例」が実施されるのか」として、既に「ゼロ」が続いていることを指摘してあります。今回の日経新聞の記事は、その「ゼロ」がまだ続いていることを指摘しているわけです。 なぜ「ゼロ」なのか、というわけですが、日経新聞の記事では、日本臓器移植ネットワークの担当者の話として、「臓器移植法改正」論議の影響が指摘されています。 この「改正論議」においては、脳死状態と判定されても1ヶ月以上心臓が動
ついに15歳未満(報道によると10代前半)の子どもが法的脳死判定され、臓器摘出、移植へと進むようです。 ニュースリンクを、とりあえず。 http://mainichi.jp/select/today/news/20110412k0000e040014000c.html http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110412/k10015251961000.html http://www.asahi.com/national/update/0412/TKY201104120072.html (追記)ちょっとした解説や見解が盛り込まれている記事をいくつか追加。 http://sankei.jp.msn.com/life/news/110412/bdy11041211410003-n1.htm http://sankei.jp.msn.com/life/news/110
13日の参議院本会議で採決された「臓器移植法改正案」ですが、個人的にはもっとも「危険」であると思われたA案が可決し、成立しました。 この事態に対して、すでに、採決直後からいくつかのグループが記者会見し、意見表明をされています。 「生命倫理」に関わる研究をする身として、あるいは、大学や高校で「生命倫理」などを担当させてもらっている身としては、「生命倫理会議」の先生方が、どのような見解を持っておられるかを、多いに参考にしてきました。「生命倫理会議」も、この事態に対する緊急声明を発表しています。 生命倫理会議: 参議院A案可決・成立に対する緊急声明 今回の件に関して、取材が多く大変だったと思われる移植ネットワークも、短いコメントを発表していますね。 臓器の移植に関する法律の改正に伴うコメントについて 正直な気持ちとして、「A案成立」を喜ぶことはできません。移植を待つ患者の方々には吉報なのかもしれ
「臓器移植法改正案」の審議が、よからぬ方向に進んでいるように思います。 7月9日のエントリーでも触れましたが、東京都議会議員選挙の結果によっては、衆議院の解散もあるという状況で、参議院での審議を打ち切り、早くも本会議での採決を「強行」するような状況でもあります。 よからぬ方向、というのは、こうした「拙速な審議」に対する「反対」が、「専門家」からあがっているからです。 「生命倫理」の研究・教育に携わる大学教員は、「拙速な審議」に反対しています。 生命倫理会議 「宗教」の専門家も、「脳死」や少なくとも「拙速な審議」に反対しています。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090708-00000006-cbn-soci それだけではなく、最後に触れますが、「A案」を支持する方々には、この「脳死臓器移植」という問題を真剣に、そして誠実に検討しようという意志が、な
「臓器移植法改正案」をめぐっては、18日の衆議院本会議で「A案」が予想外の大差で可決され、参議院でも月末には審議が開始されると言われています。 「A案」への対案となる「改正案」の準備も進んでいるようです。 子ども脳死臨調盛る 臓器移植法、有志議員が改正案 http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090621-OYT8T00280.htm ところで、衆議院での大差でのA案可決について、毎日新聞の「社説ウォッチング」で次のような文章がありました。 議員一人一人が信念で投票する、との建前だったが、A案提出者の河野太郎・自民党衆院議員が18日付のメールマガジンで「A案は、採決日が決まったときには、二百二十一までは本人確認がきちんとできていて、共産党が棄権するならば、あと何票必要というところまで落とし込んでいた。テレビや新聞が、連日のように四
18日に衆議院で可決された「臓器移植法改正案」の「A案」ですが、河野洋平衆議院議長の「花道」論が指摘されています。 臓器移植法改正A案、衆議院可決 - kanjinaiのブログ http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/news/20090619ddm002010086000c.html 「毎日新聞」は、5月前半から今回の「改正案」をめぐる審議は拙速すぎるとして、慎重審議を主張していました。また改正案の比較表を掲載する際には、「生体移植」に関する欄をつけるなど、独自性を発揮していた印象があります。 その毎日新聞の記事で、議場の雰囲気とか流れみたいなもので決まったとも指摘されています。確かに、衆議院本会議での採決の場面をインターネット中継で見ていると、「青票(反対票)」を入れる著名議員がいると「おおー」という声が聞こえてくるなど、あたかもA案に「白票
「臓器移植法改正案」の衆議院本会議での採決ですが、賛成263票、反対167票でA案が可決したようです。 予想外に大差のついた結果で、残念です。 「一律に脳死は人の死」という規定はもちろん、イスタンブール宣言やWHO(新)移植指針が求めている生体移植についての条項や、虐待児への対応策、さらに4月21日のエントリーでも指摘した現行法の基本的理念と矛盾する親族優先提供の条項(A案に内在的な矛盾も生じさせているもの)など、今後の修正が必要だと思われる点がたくさんあります。 「個々の死生観の問題」と言われますが、「長期脳死」など科学的な検討が必要な問題もあります。 1997年の現行法のときもそうでしたが、良識の府である参議院での充実した審議に期待したいと思います。 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090618dde001010008000c.html h
生命倫理会議が公表した「臓器移植法改定に関する緊急声明」への勝手な解説の続きです。生命倫理会議のサイトから声明文を引用しつつ、それらに「勝手な解説」を加えてみたいと思います。 先日のエントリーでは、声明のうち、「脳死=死」についての7)を解説したので、8)以降についてです。 8)さらに、臓器移植法が存在しても、「ドナー=脳死者」の人権蹂躙が問題となる。例えば現行法下で行われた81人の脳死判定と臓器摘出では、法律・ガイドラインの違反が多々なされてきた疑いがぬぐいきれない。政府・国会はまずこれらを精査すべきである。精査しない限り、「ドナー=脳死者」の人権が守られる見込みはなく、人権蹂躙は子供にまで拡大しかねない。またD案のように、「ドナー=脳死者」の保護のための「第三者機関」を設けたとしても、その実効性は乏しいことが予想される。 法律・ガイドライン違反の精査 まず確認すべきことは、臓器を摘出す
生命倫理会議が公表した「臓器移植法改定に関する緊急声明」への勝手な解説の続きです。生命倫理会議のサイトから声明文を引用しつつ、それらに「勝手な解説」を加えてみたいと思います。 先日のエントリーでは、声明のうち、6)まで解説したので、7)についてからになります。 いよいよ、というか、ようやく、「脳死=死」について、です。 7)翻って、最も重大なこととして、「脳死=死」が科学的に立証されていない。体温を保ち、脈を打ち、出産も可能で、滑らかな動き(ラザロ徴候)を見せる脳死者が、なぜ死人といえるのか。また、死人ならなぜ臓器摘出時に麻酔や筋弛緩剤を投与するのか。世界的に唯一公認されてきた有機的統合性を核とする科学的論理も、最高21年生存した長期脳死者の存在により破綻したと言える。仮に子供の完璧な脳死判定方法が実現しても、それは「脳死状態」を確定できるだけで、「死」を規定できるわけではない。 「脳死=
昨日5日に、衆議院厚生労働委員会での「臓器移植法改正案」の審議があり、これをもって実質的に審議終了となりました。 5月27日に続き、6月5日の審議は5時間以上に及んだようです。審議の模様は衆議院のインターネット審議中継で見ることが出来ます。 → http://www.shugiintv.go.jp/jp/video_lib2.php?u_day=20090605から「厚生労働委員会」 僕自身、まだ審議の模様を確認していないのですが、2回の審議で合計10時間。この審議プロセスを長いと見るか、短いと見るかは、難しいところです。 そうした国会での審議状況を踏まえて、5日夕方のTBS「総力報道!THE NEWS」で「15歳未満の臓器移植はどうなる…親の思いは」という6分ほどの報道がありました。 → http://www.tbs.co.jp/souryoku-houdou/ 番組では、「脳死」と診断
最近は、「社会的合意」をめぐる議論がそこまで盛り上がらないせいか、内閣府による世論調査の数字が独り歩きするような状況ではないので「ホッ」としていたのですが、先日の厚生労働委員会での審議でも、「世論調査の結果」に言及されつつ、「脳死は人の死」が国民に受容されつつあることが(A案の提出者を中心に)述べられていました。(厚生労働委員会での審議については、5月30日のエントリーで触れています。) つまり、今回の委員会審議でも論点の一つは、「脳死は人の死」に「社会的合意があるか否か」ということだったと言えるのではないかと思います。 そこで改めて、世論調査の数字から「社会的合意」をどう考えるのかについて、少し考えてみたいと思います。 今回の委員会審議では、とくにA案の提出者から、「脳死は人の死」が国民に受容されつつあることの根拠がいくつか挙げられていました。*1 「おや?」と思ったのは、海外へ渡航して
日本で「脳死」をめぐる議論に決着がつかないことを「遅れている」と言われることがありますが、文化・社会が異なれば、社会問題化する「生命倫理の問題」も変わります。よく例に挙げられるのは、欧米では「生命の始まり」に関わる「中絶」や「胚性幹細胞(ES細胞)研究」が政治的な問題となり、他方で日本では「生命の終わり」に関わる「脳死」や「安楽死」が問題になる、ということです。 今日のニュースに、こうした「違い」を改めて感じました。 http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200906010003.html http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2009060100109 http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4146578.html http://www.yomiuri.co.jp/world/news/200
先日のエントリーで、WHOの移植指針について取り上げました。(5月24日のエントリー) せっかく臓器移植法を修正するのであれば、その新しい移植指針に対応できるようにすべきなのではないかと思います。「国際標準に合わせる」というのであれば、なおさら、それが必要です。 というわけで、今回の「臓器移植法改正」論議で提出されている4つの「改正案」(と現行の「臓器移植法」)について、WHOの移植指針との比較を試みたいと思います。*1 既に日本移植学会のホームページで、WHOの指針も併記した改正案の比較表が入手できますが、そこで併記されているWHOの指針は、改正される予定のものではなく、現在の指針となっています。*2 そういうこともあり、新しく採択される予定のWHO指針と比較することは必要なのではないかと思います。 「臓器移植法改正」論議での論点とも重ねて、次のようなポイントを取り上げたいと思います。
今回の「臓器移植法改正」論議で、「外圧」として挙げられているのがWHO(世界保健機関)の移植指針改正です。5月のWHO総会で採決される予定だったという、この移植指針の存在が、早ければ今月中とも言われる「改正案」採決を後押ししていたのではないでしょうか。(もちろん、他にも要因はあると思いますが…) けれども、このWHOの指針。メディアでの報道され方と、その中身とは、必ずしも一致していないようです。生命倫理政策に詳しい臏島次郎(ぬで島次郎、「ぬで」は木へんに勝)氏が5月9日の『毎日新聞』で述べていますが、WHO指針が今回改正されるのは、「臓器売買の抑制」が目的であって、移植のために海外渡航すること自体が規制されるわけではないし、子どもが移植を求めて海外に行くことが禁止されるわけではない、とのことです。 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090509d
2009年5月17日夜のフジテレビ「サキヨミLIVE」の「アスヨミ」コーナーで、「臓器移植法」とどう向き合うのか、「小さな命 どう救う? “脳死”に揺れる家族」という特集がありました。 「長期脳死」に関して取り上げられていたので、興味深く見たのですが、残念と思う部分も多かったので、少しコメントを。 この番組では2つの家族が登場しました。 まず、心臓移植でしか助からないと言われ海外で心臓移植を受けたお子さんとその家族。 それから、8年前に「脳死」と診断されながら生き続けているお子さんとその家族。 放送で心に響くご家族の言葉はいくつもあったのですが、ここでは、僕が興味深く思った話の筋だけの部分だけを。 現行法では15歳未満が脳死からの臓器提供を意思表示することは認められていない。 けれども、体の小さな子どもが心臓移植を受けるためには、その大きさにあった臓器が必要になる。つまり、子どもが臓器移植
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