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私は一人の小説家として、ここエルサレム市にやって参りました。言い換えるなら、上手な嘘をつくことを職業とするものとして、ということであります。 もちろん嘘をつくのは小説家ばかりではありません。ご存知のように政治家もしばしば嘘をつきます。外交官も軍人も嘘をつきます。中古自動車のセールスマンも肉屋も建築業者も嘘をつきます。しかし小説家のつく嘘が、彼らのつく嘘と違う点は、嘘をつくことが道義的に非難されないところにあります。むしろ巧妙な大きな嘘をつけばつくほど、小説家は人々から賛辞を送られ、高い評価を受けることになります。なぜか? 小説家はうまい嘘をつくことによって、本当のように見える虚構を創り出すことによって、真実を別の場所に引っ張り出し、その姿に別の光をあてることができるからです。真実をそのままのかたちで捉え、正確に描写することは多くの場合ほとんど不可能です。だからこそ我々は、真実をおびき出して
村上春樹「やれやれ」調査団 村上春樹の本にしばしば登場するキーワード「やれやれ」。あの「やれやれ」っていったい幾つあるんだろう? この疑問を解決すべく、村上春樹「やれやれ」調査団は発足しました。 調査は現在進行形で進められています。なので、内容は随時更新する予定です。 ジェイズ・バーにやってきた『1973年のピンボール』のピンボール会社の集金人兼修理人のやれやれ 週に一度、ピンボール会社の集金人兼修理人がジェイズ・バーにやってきた。彼は三十ばかりの異様にやせた男で、殆んど誰とも口をきかなかった。店に入ってくるとジェイには目もくれずにピンボール台の下にあるふたを鍵で開け、小銭をザラザラとキャンバス地のずた袋に流しこんだ。そしてその一枚を取ると、点検のために機会に放り込み、二、三度プランジャーのバネの具合を確かめてから面白くもなさそうにボールをはじいた。それからボールをバンパーに当ててマグネッ
『ダンス・ダンス・ダンス』の「僕」。 というのは『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』『羊をめぐる冒険』の「僕」のことでもある訳だけれど、その「僕」とユキの父親である牧村拓が雪かきについて会話をしている。 まず「僕」がこう言う。 「穴を埋める為の文章を提供してるだけのことです。何でもいいんです。字が書いてあればいいんです。でも誰かが書かなくてはならない。で、僕が書いてるんです。雪かきと同じです。文化的雪かき」 「僕」は続ける 「今やってることに関しては、好きとも嫌いともいえないですね。そういうレベルの仕事じゃないから。でも有効な雪かきの方法というのは確かにありますね。コツとか、ノウハウとか、姿勢とか、力の入れ方とか、そういうのは。そういうのを考えるのは嫌いではないです」 これについて牧村拓が返す。 「その雪かきという表現は君が考えたのか?」 「俺がどこかで使っていいかな?その『雪かき』
「村上春樹をまだ一度も読んだことがない」 そういう人って世間には大勢いると思うんです。 もちろんその中には、高校生や大学生もいれば、成人式を2回迎えた年齢に達している人もいる。そんな人たちを一括りにして「おすすめ長編ラン … 続きを読む おすすめの村上春樹長編ランキング(学生編)
ジャズとクラシック音楽と猫と走ることを愛好する小説家・村上春樹。『ノルウェイの森』『1Q84』『海辺のカフカ』『ねじまき鳥クロニクル』の他、多数の短編とエッセイ、フィッツジェラルドやチャンドラーなどの翻訳をする小説家。
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