前回の議論で、「批評」とはある作品に対する評価とその根拠が述べられた主張であり、その「評価」とは客観的な価値判断をすることであることを述べた。そして「感想」は自分が感じたことを記述することであり、感じた内容を感じたという主張以外は主張を含まないということを述べた。 ここでは「評価」の意味である「客観的な価値判断」とはどのようなことかについて考えたいと思う。また、それが「この作品を面白く感じた」といった感想とどう違うのかについても考えたい。 僕は、「評価」が客観的な判断であると言うことについて、次のように言っている。 しかし「このアニメは傑作だ」という文は話し手の主観的な感想を表していることもあるし、「このアニメは面白い」という文になるとさらに主張が客観的か主観的かが曖昧である。だから「評価」を明確に定義するのは無理だと考える人もいるだろう。しかしこれは文が曖昧なのであって話し手の主張が曖昧