新株予約権(ワラント)を活用した資金調達に踏み切る企業が増えています。新株予約権とは、簡単にいえば「あらかじめ決められた期間に、あらかじめ決められた価格(行使価額)で株を買える権利」のことをいいます。新株予約権を資金調達の手法として活用する企業が増えている最大の理由はコロナ禍です。資金繰りや債務超過の危機に陥った企業は、1株利益の希薄化が伴う公募増資は現実的に難しいわけです。そうなると残る手段は、第三者割当増資となります。 ではなぜ、普通の第三者割当増資ではなくて、新株予約権なのでしょうか。まずは新株予約権のイメージをつかんでいただきましょう(下図)。新株予約権発行時に企業が発行するのは、あくまでも権利行使価額(下図では1,000円)で株を買える権利です。このとき、企業に入ってくるのはあくまでも予約権購入代金(いわゆるオプション料)のみです。 出所:オントラック作成 株価が1,500円に上