勢いでブログを作って2記事目。ひきつづき新海誠の代表作「秒速5センチメートル」の話をしたい。前回の記事は読んでいただけただろうか。 stars-have-fallen.hatenablog.jp 読んでない? じゃあムリに読まなくていいですよ。 要するに、秒速は ”神格化された明里との埋まらない距離” を描いた作品であるという話をしていた。貴樹はたしかに明里に恋をしていただろうが、彼女との距離がひらくにつれて、明里の存在と雪原での思い出は神格化にちかいレベルで美化がなされた。人間としての明里に恋をしているのではなく、神聖なるあの日の思い出、幻影に恋をしているのである。これではもはや、貴樹の明里に対する感情は、恋愛よりも「崇拝」といったほうが近いかもしれない。そんな内容である。 さて、この秒速5センチメートルであるが、かねてより観る者の心を深く抉る、いわゆる「鬱アニメ」として知られていた。