環境保全という分野に携わっていると、必然的に暗く憂鬱な現実に直面する機会が数多くあります。 世界的な増加が続く二酸化炭素排出量、激減したウナギを消費し続ける人々、歯止めのかからない熱帯雨林の消失等々。どうすればこの「世界」(人間の行動や社会、あるいは世の中そのものの在り方を含みます)を変えられるのでしょうか?そもそも本当に世界を変えることができるのでしょうか? 私がケンブリッジに来てから学んだ最も大きなことのひとつが、ここで保全に関わっている科学者の多くが、世界に本当の変化をもたらすことを最終的な目標として定めている、ということでした(詳しくはこちらを)。もっと真正面から、世界の現状をよりよくしていくための科学を追求していっていいのだと気付かされたときの衝撃は、今でもよく覚えています。 環境保全に関わる科学の最終的な目標が、世界がよりよい方向に動いていく手助けをすることにあるとすれば、この