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turqu-videogame.hatenablog.com
週末批評に寄稿した以下の記事とは別にストーリーの内容についての記事になります。 加速する “JRPG” の到達点──『ファイナルファンタジー16』がそれでもムービーにこだわる理由|すみ | 週末批評 「『FF16』の前半は面白かったんだけど、後半になってつまらなくなった」という意見がある。私自身は別記事などに書いた通り『FF16』を絶賛するし、後半も面白いと思うけど、この意見はとても興味深い。そしてある意味、ここが1番、『FF16』の物語評価で差異が出るところだろうと思う。 後半のイマイチなポイント 『FF16』後半の物足りなさを象徴するキャラクターは、まず第一にバルナバスだろう。主人公クライブのライバル的な存在かと思い期待した人も多かったはずだ。しかしラスボスのアルテマを狂信するマザコン男というかなり弱っちいキャラに収まってしまい、思ったより魅力的には思えなかった。 バルナバス そのほか
週末批評に本記事の改稿した記事を掲載いただいています。ぜひそちらをご覧ください。 加速する “JRPG” の到達点──『ファイナルファンタジー16』がそれでもムービーにこだわる理由|すみ | 週末批評 以下、元記事です。 2023年6月に『ファイナルファンタジー16(以下、FF16)』が発売された。多くの期待と不安が寄せられた本作であるが、その評価をめぐっては大きく意見が分かれている。大手ゲームメディアサイトの平均点を算出するメタスコアでは87点と比較的高い点数を獲得している(2023年7月9日現在)。しかし、凡作、駄作であるとの評価も多く、決して賞賛する評価ばかりではない*1。 本作の評価が難しいのは、明らかに昨今のゲームと比較して「普通以下」と思える部分があり、それにも関わらず、本作を高く評価する人がいるところにある。例えば、『FF16』のフィールドにおける探索しがいの無さは明らかで、
2022年8月。『ディスコ エリジウム ザ ファイナル カット』日本語版がリリースされた。海外でリリースされた時の情熱的とも言える絶賛レビューを数多く目にしていたため、この作品が日本語化されると聞いた時にはとても嬉しかった。実際、日本語版をプレイしてみて、これは絶対に英語版ではプレイしきれなかったろうと感じ、これを日本語化してくれた方々には本当に足を向けて眠れない。翻訳の世界を知らない私にも、110万ワードと言われる膨大なテキストは、未知の巨大な怪物に立ち向かうような困難さであっただろうと想像する。改めて、日本語版の発売に尽力された方には「ありがとうございました」と言いたい。 1周目をアーキタイプ「思想家」で始め、クリアまでプレイし、最後の2日間をもう一度違う選択肢などを選んで遊び直して再度エンディングを迎えた。そして2周目をアーキタイプ「神経質」で始めたところで、この感想文を書いている。
2022年5月にSTEAMでリリースされた『DRAINUS(ドレイナス)』。ノーマル2周目をクリアし、ハード2周目をプレイしている状態で、この感想記事を書いている。難易度や開発コンセプトなどを巡りネットでは少し話題になったが、そんな点も含め、感じたところを書いていきたい。なお、今のところPC版だけで、SwitchやPS4などコンソール機で発売されていないが、ぜひ移植してほしい作品だ。 --------- 追記(2023.02.01): 『DRAINUS (ドレイナス)』のNintendo Switch版がとうとう2023年2月2日に発売される。多くの「下手の横好きシューター」にオススメしたい。これまで「初心者向けシューティング」という宣伝文句を冠した作品は単に凡作や駄作でしかなかった、そんな苦い思い出を持つ私を含めた全てのにわかシューターにとって救いとなる傑作だと私は思っています。 全般的
2020年。前作から7年ぶりにリリースされた『ラストオブアス パート2(The Last of Us Part 2)』は、間違いなく傑作だった。まさかこれほどの傑作が生まれるとは、前作のあまりに素晴らしいラストシーンからは想像ができなかった。これ以上は蛇足にしかならないと、前作を評価する人であればあるほど、そう予想しただろう。しかしそのネガティブな予想は幸運にも覆されることになった。しかし一方で『ラスアス2』を評価しない人もいる。そのような状況において、どのような点が素晴らしかったかを書くことには多少の意義があるだろう。なお、本稿はネタバレをしまくるので、未クリアの方は注意願いたい。 複雑なものを複雑なままに描く 『ラスアス2』には魅力的な人物が何人も登場するが、中でもディーナの存在が面白いと感じた。序盤のディーナは、思い入れのあるエリーとプレイヤーとの間に突如として割り込んできた「やや目
2020年7月17日に発売された『ゴースト・オブ・ツシマ(Ghost of Tsushima)』。元寇をテーマにした侍が主人公のオープンワールドなアクションゲームだ。侍が広大なフィールドで冒険するという作品は、多くの日本人ゲーマーが長く待ち望んだ作品だった。そして発売間もないが、本作は非常に多くの日本人から受け入れられ、そして高い評価を受けている。本稿では世評とは乖離した自分の本作への感覚について書いてみたい。 私は本作をプレイし始めて、オープニングのところで大変気持ちが萎えてしまった。ただ、この残念な気持ちは色々と複雑で、本作が「およそ日本の武士や日本の時代劇では言いそうにないことやありそうにない雰囲気をバシバシ放っていた」から単純に残念だったわけではない。第一に気になったのは、その脚本があまり優れたものではない点だ。主人公、境井仁の行動原理が「平和」や「民のため」という薄っぺらい言葉で
『セレステ(CELESTE)』は歯ごたえのあるアクションゲームである。クリアまでに2000回以上も死ぬことになったが、その旅は単に「歯ごたえがある」旅ではなかった。それは「自らを救済する旅」であった。それは一体どういうことなのか。単なるアクションゲームがどうしてプレイヤー自らを救うことができるのか。それを少し書いてみたいと思う。 『セレステ』は横スクロールの2Dアクションで、"ジャンプ"と"ダッシュ"と"壁登り"という主に3つの操作で、針山や奈落を飛び越えながら進んでいく。非常にシンプルなゲームシステムだ。何度も死を味わう難易度だが、やり直しのためのリードタイムは短く、大きく進行を戻されることもない。本作のシステムは決して独創性があるものではなく、似たような作品としては『N++』や『スーパーミートボーイ』という作品が挙げられるだろう。しかしそれらの名作に勝るとも劣らない素晴らしいレベルデザ
※本記事はドラクエ11の結末を含め様々なネタバレを含みます。 『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』は名作である。これはプレイ開始当初には考えもしなかった評価である。しかしクリア後そのように評価せざるを得ないという気持ちになった。おそらくドラクエ11には両極端の評価が混在している。そのことについて少し考えてみたい。 ■欠点の多いドラクエ11 ドラクエ11には多くの欠点がある。その欠点はあまりにあからさまで堂々としている。『Witcher 3』や『Fallout 4』と言った世界の大作RPGをプレイしたことがある者にとっては驚くほど稚拙に感じられる部分が多い。 特に気になるのはマップやエリアデザインの部分だろう。端から端までそれほど時間が掛からず行き来ができるほど1つのエリアは狭く、その癖、隣のエリアや街に移動するには十数秒のローディングが挟まる。仮にそれぞれのエリアごとに凝ったギミ
元記事と同じ内容ですが、素晴らしい編集をいただいた記事が週末批評に掲載されています。元記事よりもずっと読みやすく面白いものになっているので、ぜひ以下のリンクからそちらをお読みください。 探索せずにはいられない!──『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』に宿る「ハズレの美学」 | 週末批評 ------------元記事は以下より---------- 『ゼルダの伝説 ブレス・オブ・ザ・ワイルド』(2017)は稀代の傑作である。それゆえ『ゼルダの伝説BotW』を褒める記事は既にたくさん存在する。だから、もうこれ以上何を言うのかという思いがないではない。しかし咲き乱れる賞賛の中に、もう1つぐらいささやかな記事が加わっても罰は当たらないだろう。そんな思いで書いてみた。本記事では、『ゼルダの伝説BotW』の持つ数ある美しさの中から、ある1つの美点を取り出して述べてみたい。それを筆者は「ハズレの
※【ネタバレ注意!!】なるべくあからさまなネタバレはしないように書きますが、どうしてもゲーム内のネタに言及している部分があります。未プレイの方は実際にゲームを(Trueエンドまで)クリアした後に読んでいただいた方がいいと思います。 妄想科学アドベンチャー『カオスチャイルド』。2015年6月にPSプラットフォームで発売されるに至り、本作はネット上でもかなり議論されるようになった。その中で度々論争になるのは、Trueエンドで明かされる「大きな事実」についてだ。この「事実」により、これまでの思い込みが大きく覆えされる。ただ、この設定はネット上では賛否が分かれている。「後付け感がある、無理がある」と非難する意見も多い。筆者もこの意見にはある程度同感する。たしかにこの「大ネタ」は物語の大筋と直接的な因果関係をあまり持たない。このネタがなければ話がおかしくなるということがほとんどなく、逆に様々な無理を
メタスコアという数字がある。おそらくコアなゲーマーには説明の必要もない当たり前の存在であろう。その存在を知っているばかりか、その功罪についても、また一家言ある方も多いと思う。 メタスコアとは、アメリカのMetacriticというサイトが集計している映画・音楽・ゲームなどの作品に対する100点満点形式の評点を指す。 このスコアは各種大手レビューサイトに計上された点数を集計し、百分率化した上で平均化した数字である。様々なレビューサイトを横断的かつ網羅的に見ていくことは、マニアにとっても骨が折れる作業だ。それゆえマニアにとってメタスコアはとても有用なツールでもある。集合知的な評価ではあるが、特徴的なのは素人のレビューを集めているわけではないというところだ。商業的な、ある程度の規模を持ったレビューサイトの評価を集めているところがポイントである。 映画や音楽やテレビドラマのメタスコアもあるが、中でも
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