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徳認識論(virtue epistemology)とは、近年盛んに研究が進んでいる認識論の一分野である。徳認識論を特徴づけているのは、認識論的な研究の焦点を主体(agent)のもつ性質である知的徳(intellectual virtue)ないし認識的徳(epistemic virtue)に当てるという点だ。徳認識論においても従来の認識論と同じく主体の信念(belief)は依然として重要な位置にあるものの、そこでの信念が認識的に重要な身分をもつ――たとえばその信念が単なる信念ではなく「知識(knowledge)」と尊称されるに値する――ときに焦点が当てられるのが、信念形成(belief-forming)の主体が知的に有徳である(intellectually virtuous)という点なのだ。知的徳の代表的な例として直観的に理解しやすいのは、開かれた心をもっていること(open-mindedn
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