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円安とは
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2010-04-05 當山日出夫 今日の朝日新聞の記事。「障害者」か「障碍者」か/常用漢字に追加求め意見 (白石明彦さん) 論点としては、これまで、ここに書いてきたこと。「障害」と書くか「障碍」と書くか、書くときの文字の問題。「害」と「碍」。 通常は、両論併記で新聞記事はすませることがおおいのであるが、この記事は、一歩ふみこんんだ記載となっている。最後に次のようにある。 いずれの結論を採るにしても、文化審議会はこの問題に対する見識を示すべきだ。害という漢字が嫌なのです、と訴える人たちのためにも。 ここで、記されている、「害」の字を嫌うひとの一つの例が、COMHBO、である。 COMHBO(地域精神保健福祉機構) NPO法人 http://www.comhbo.net/ ここで、本年、「精神障害者」の呼称と表記を考えるシンポジウム を開催している。2010年2月20日。 常用漢字の委員会、文
2010-01-02 當山日出夫 どうも、ディスプレイの文字がぼやけて見える、これはパソコン(あるいはOS)のせいだと思っていたら、どうやら眼鏡があっていなかったらしい。まったく、歳はとりたくないものである。 ところで、いよいよ2010年は、常用漢字改定の年。さて、どうなるか。まずは、第2回目のパブリックコメントである。 最大の「課題」は、第2回パブリックコメントが、改定案についてのものをメインに募集と銘打っていること。つまり、これに直接関係しない意見は、「その他」として一括してとりあつかわれてしまう懸念である。 たしかに、2010年に決める、という当初の方針からすれば、日程上はやむをえないのかもしれない。しかし、意見は意見として、きちんと取り上げてもらいたいものであると思う。 こう思うのは、おそらく今回の「改定常用漢字表」についての、パブリックコメントで、「碍」の字の追加要求が相当数にの
2009-12-17 當山日出夫 豊田徳治郎さんのことが、朝日新聞に掲載になっていらい、そのブログが賑わいをみせている。まずは、議論をおこすこと、これが大事であると思う。 tokujirouの日記 http://d.hatena.ne.jp/tokujirou/20091201/1259622095 世の中には、この種の問題について、だまっていたい人もいるだろう。そのような人を無理に発言の場に出てもらうこともない。それはそれで、そっとしておいてあげるのがよい。しかし、発言しようと思った場合、きちんと言うべきことを言う、そして、言えるようになってきた、また、そのツール(ブログなど)が整備されてきたことは、ひとつの進歩であろう。 ここで思うこと、「しょうがい」の表記の当事者は、いったい誰であるのか、という観点である。以下、私見を記すならば、それは、「みんな」である。 障碍(以下、この表記で書く
2009-11-16 當山日出夫 日本の活版印刷の歴史、たかだか1世紀半ほどのものである。それを、「日本語」と「書物」と「表記」の全体にわたる問題として、そんなに、とりざたするほどのことなのであろうか。と、いうのが、いつわらざる印象である。 雑誌『群像』2009年12月号は、「特集:活版印刷の記憶」とある。が、表紙には記載がない。なかの目次にはある。掲載の文章は、二つだけ。 「言葉をいとおしむ」松浦寿輝 「活版印刷の終着駅を前に」市川真人 この二つだけ。私の感想としては、要するに、むかしながらに職人さんが手作業で文選・植字してつくった本はよかった、今のデジタル化した文字はダメだという感傷の文章としか読めない。 そんなに手作業の文字がいいなら、自分で版下原稿を書いて、それをオフセットにでもしたらどうですか……と、ついつい言ってみたくもなる。近代になって活版印刷がはじまるまで、製版本の版下は手
2009-10-31 當山日出夫 まず、引用から。 日本の医療現場では「抑制」という医学用語がよく使われていた。簡単に言えばベッドに縛りつけることだ。ところが、これは非人間的だと考えた医師がいて、その医師はそれまで「抑制」と書かれていた看護日誌に「縛った」と書かせた。そうすると、看護師に大変な抵抗が出てきたのである。「抑制」と書くと医療行為の一つだと思えるが、「縛った」と書くと人間の自由を奪ったとしか思えなくなるのである。そこで、その病院ではベッドに患者を縛りつける行為が激減したという。 「抑制」と書こうと「縛った」と書こうと、行っていることは同じである。しかし言葉を換えることによって、自分が行っていることの意味が変わってしまったのだ。医療行為が自由を束縛する行為に変わってしまったのである。たった一語の変更で、そのことが自覚できたのである。 いや、言語論的転回以降の言語観にそってもっと厳密
2009-10-23 當山日出夫 いまのところ、報道のサイトなどによると、名称は、「常用漢字表」を踏襲するとのこと。まあ、「目安」としての基本が変わらないということを、より強く印象づける、あるいは、別の名称を選択したときの混乱を回避する、というあたりが落としどころかと、推察する。 ならば、なぜ、字種を増やす必要があるのか・・・という、根源的なところの問いかけに戻るような気がしてならない。旧(現行)常用漢字表であっても、必要に応じて、表外字の使用は認められていたのだし、現に使ってもいる。 それにしても、「毀損」は書けても「瑕疵」は書けない……まあ、一般的には、「名誉毀損」の使用例が多いのだろうが。あるいは、「〜〜を毀損する」など。頻度がたかいといえばいえそうだけれど。 なお、やはり「礙」は無理であったか。 當山日出夫(とうやまひでお)
2009-08-22 當山日出夫 さて、気になったので、ダイレクトに上記の論文名で、Google検索。本家のNHK放送文化研究所がトップにヒットするのは当然としても、その次には、私がさきに書いたものが出る(この間、ほぼ半日経過している)。さらに見ても、新常用漢字表をめぐる議論のなかで、本格的に言及・引用してあるものは、(Google検索によるかぎり)多くは見当たらない。 だが、この論文は、これまで「新常用漢字表」について種々に議論されてきたことを考えるうえで、必須であると、私は判断する。 メディア研究部(放送用語) 塩田雄大 視聴者はどのくらい“漢字表記”を求めているのか〜「放送における漢字表記についての調査」から〜 http://www.nhk.or.jp/bunken/book/pdf/d08.pdf そう長い論文ではないし、難解でもない。読みやすい。まず、基本のスタートとして、コンピ
2009-08-22 當山日出夫 たまたま、今朝(2009-08-22)の朝のNHKのニュースで、新常用漢字表のことをとりあげていた。基本的には、追加候補(191字)のうち、「読める字/読めない字」を、主に若いひとを対象にした調査の報告。 たとえば、読めない字(厳密には「語」とすべきか) 「葛餅」※番組では、「葛」は「0208字体」で表示。「餅」も拡張新字体。 「鹿の子」 さらに、読めない字、ほとんど1〜2%に近い、となると、 「領袖」 「陶冶」 「進捗」 など。 言語研究の視点からは、理解語彙と使用語彙、その表記の関係ということになる。 上記、番組で紹介の事例のついて、「葛餅」単独では読めない(知らない)としても、「葛飾」という地名であれば、読めるはずである。今のわかいひとたちで、「こち亀」を知らないということは、無いであろうから。 「葛餅」を知らないとしても、年末になって、「餅つき」「
2009-08-07 當山日出夫 産経新聞の8月5日の夕刊(大阪版)に書いたこと。もちろん、「新常用漢字表(仮称)」について、である。この原稿を書きながら、あるいは、書いてから、ああ、このことが実は一番大事なのに議論されていない、と感じたこと。それは、 文字の歴史的な流れとは何であるのか。たとえば、当用漢字が戦後に制定された時点から考えるのか、近代の活版印刷史にさかのぼるのか、さらには、それ以前の版本や写本の時代まで考えるのか。そして、最も重要なことは、現在の日本語の表記を考えるときには、どの観点にたつべきかという点である。 自分で書いた文章(一太郎で残した原稿)からの引用。 どうも、これまでの「新常用漢字表(仮称)」をめぐる議論で、錯綜するのは、このあたりの論点が整理できていないからだと思う。特に、「しんにゅう」の点がどうのこうのという議論は、視点の設定によって、まったく論点が変わる。そ
2009-07-28 當山日出夫 小熊さん、いつもありがとうございます。さっそく、ダウンロードして、ざっと目をとおしました。 「鬱」という字があるからといって、かならず、漢字で書くときは「鬱」をつかわなければならない、ということはない。このことは、委員会で確認されていることだと、私は理解します。また、この考え方についても、同感です。 であるならば、「碍」という字があっても、絶対にその字をつかわなければならないわけではない。「障碍」「障害」「障がい」「しょうがい」、種々の書き方が許容される。 ならば、「碍」が入ってもかまわないではないか、と思えます。 ただ、問題は、どういうプロセスで、その字を「新常用漢字表(仮称)」に入れることにしたのか、整合性があるようにしたい、というレベルの議論に、すりかわってしまっているように思えます。ある団体が運動したら字が入る、ということは避けたい、ということでし
2009-07-28 當山日出夫 nazokouさんのコメントにあるように、 多くの地方自治体が「碍」は常用漢字ではない、との理由で「障がい者のための障害者手帳」のようなパッチワーク文を書き連ねる異様な状況を良しとする自称「有識者」一同の心理は全く理解の外ですが、せめて「人権上の配慮など特段の理由が有る場合は、表外字を使用することを妨げるものではない」との大臣通達を出すべきであるとの答申ぐらいは出さなければ余りにも無責任ではないでしょうか。 には、まったく賛成。 学校教育で、「淫」の字が教えにくい(「削除」というのは、誤報であったようだが)、というような議論をする時間があるぐらいなら、「障害」と「障碍」の問題について、教えることの意味は、いったいどこにあると考えているのか、といいたくなる。 それから、パブリックコメント。公文書管理法は成立したが、このあつかいはどうなるのだろうか。ひょっとす
2009-07-17 當山日出夫 明日は、いよいよ「第3回ワークショップ:文字−新常用漢字表を問う Part2−」兼「文字研究会準備会」である。その「文字研究会」の方。提言する予定の、会則の案らしきものである。とりあえず、ここにしめしておきたい。 2009-07-18 文字研究会(仮称)設立準備・試案 1.名称 文字研究会 2.目的 文字についてのあらゆる事象を研究し、その成果を発表し、相互に議論する。文字に関心のあるものが、自由につどえる場として機能することを目的とする。 3.会員 この会の趣旨にてらして、特に限定的な会員の制度をもうけない。会費などの徴収もしない。 4.会費・参加費 特に会費を徴収することはしない。ただし、研究会の開催にあたり、会場準備・配付資料などのために、いくぶんの参加費を必要とする場合がありうる。この場合の会計は、研究会においてその明細を記録し必要があれば開示しな
2009/06/18 當山日出夫 以下のごとく、第3回の「ワークショップ:文字」を開催します。みなさん、ふるってご参加ください。なお、案内にもありますように、あらたに「文字研究会」を考えています。 余計な注。会場の建物の名称は、「ねんげかん」と読みます。JRの円町駅が一番便利です。 http://kura.hanazono.ac.jp/kanji/20090718.html 「第3回ワークショップ: 文字 ―新常用漢字表を問う Part 2― 兼「文字研究会」(仮称)設立準備会」のご案内 開催趣旨 みなさま、すでに御存知のように『「新常用漢字表(仮称)」試案』が発表されました。また、すでに第1回のパブリックコメントの募集もありました。 今回の「新常用漢字表(仮称)」は、我が国における国語施策の重要な問題です。字種の増減にとどまらず、字体のことも大きな焦点になっております。また、これは単に国
2009/06/04 當山日出夫 急に、学生の出席状況の調査依頼が、事務のほうからあったので、おおあわてで、出席カードをカウント。普段であれば、我が家の子供にやってもらう。これは、教育的意味で。つまり、出席カードで不正をすると、必ずばれるぞ、ということを、実感させる意味で、そうしている。 ところで、今日、カードを見ていって気づいたこと。別に、出席カードを調査しなくても、名簿を見ればすむことである。しかし、私の場合、最終的に、成績評価記入の段階にならないと、全体をじっくりと見ることはない。 「子」のつく名前の女子学生がいない。 たしかに、世の中の全体の傾向として、「子」のつく名前が減っていることは、分かる。しかし、十数名を見て、ゼロ、というのは、始めてである(と、記憶する。) そういえば、かなり昔のこと、「真子」という学生がいて、「まこ、とよみますか、それとも、まさこ、ですか」と質問。「いい
2009/06/07 當山日出夫 おがたさんの「もじのなまえ」でのコメント takeiさん http://d.hatena.ne.jp/ogwata/20090602/p2 たとえば「吉」なら上が短くても字種は同じですが、「土」と「士」では明らかに字種が違う。「未」と「末」もそう。これをどうやって小学校低学年に教えますか? 不急かつ複雑な記憶事項が増えるだけです。 ざっくばらんにいえば、手で文字を書くのが主流であった時代、「土」「士」の区別は、 「土」には、「てん」を付加する 「士」は、そのまま だいたい、筆で文字を書いて、線の長さの長短をきちんと区別するというのは、どだい無理なはなし。特に、近世の、実用的な書体においては。 ・手書き書体と活字とでは、字体が異なる これは、言い尽くされている。だが、忘れがちなのは、 ・字体の区別の方式も異なる という点である。 これを、いまさら、昔にもどせ
2009/06/04 當山日出夫 「鬱」という漢字が難しい、やめてほしい。という中等教育レベルの生徒の気持ちもわからないではない。だが、これが、「英語」だったらどうか。あるいは、「数学」や「理科」だったら。 そんな難しい英語の単語は覚えられませんから、教科書につかわないでください。私は、これからの人生で、二次方程式の解をもとめるような計算をするはずはありませんから、教えないでください。 このような生徒の発言に、すなおに、うなづけるだろうか。 バカ! あまったれるんじゃない。教育というのは、知的トレーニングの場なのであって、それを、実際に社会に出てつかうかどうかは、別の問題だ……と、反応が返ってくるのが、今の社会の趨勢であろう。いわゆる、「ゆとり教育」に対するゆりもどし、である。 では、このなかで、「漢字」の教育はどうあるべきなのだろうか。 はっきりいえば、「英語」よりも、日常的に身近な存在
2009/06/04 當山日出夫 この問題、あまり論じられていないように思えるのだが、いかかであろうか。 「新常用漢字表(仮称)」試案、では、現行の「常用漢字表」から、 勺 錘 銑 脹 匁 が、「削除」の候補になっている。また、パブリックコメントにも、追加案からの削除以外にも、現行の常用漢字表からの削除希望がある。 では、現行「常用漢字表」から削除された漢字は、「印刷標準字体」(表外漢字)とは、どのような関係になるのか。 (1)印刷標準字体を改訂して、その中にふくめる。 (2)削除するのみで終わる。印刷標準字体には関知しない。 現実の、今の漢字は、 ・常用漢字表の漢字 ・印刷標準字体の漢字 ・それ以外の漢字(上記の中にはふくまれないが実際には使う字) に分かれている。実際には、ダブルスタンダードの状況を甘受しない限り、実際の日本語表記は、(現在の日本語については)無理である。「目安」である
2009/06/03 當山日出夫 おがたさんの「もじのなまえ」 "鬱”を追加しないでください http://d.hatena.ne.jp/ogwata/20090602/p2 「鬱」をつかう例としては、「憂鬱」「鬱血」「鬱蒼」それに「鬱病」ぐらいであろうか。漢字を、パーツの組み合わせとして見た場合、「鬱」の字は、そう難しいという字ではない(と、思う)。しかし、全体としての画数が多くなり、一瞬の見た目の印象としては、「難しい漢字」。 だが、問題は、そもそも「漢字で書かなければならない」という、意識のありようにあるのかもしれない。この延長上に、「交ぜ書きは美しくない」という考え方もある。 「漢字」にのみこだわることなく。日本語の「ことばの表記」としてみれば、ある「語」の書き方として、交ぜ書きがあっても、かまわないではないか。さらに、「ゆううつ」でも「ユーウツ」でもいい。現在、「うつ病」は普通の
2009/05/31 當山日出夫 とりあえず、いま、論じているのが「ひろばのことば」。その先にあるのは、日本語の正書法、である。 いうまでもないが、漢字仮名交じり文が日本語の表記としてつかわれるのは、漢字が、いわゆる「文節」の区切りを示すからである。適当に、漢字と仮名が交じっていた方が読みやすい。 そうでなければ、「わかちがき」にするという方向がある。現在、朝鮮語では、分かち書きになっているから、ハングルだけで書かれていても読める。(なお、私は、言語の名称としては「朝鮮語」という。「ハングル」は文字の名称として使う。) この視点からは、まず、読んで論じなければならない本が、 野村雅昭.『漢字の未来 新版』.三元社.2008 である。(最初の筑摩書房版も、むかし買ったのを今でも持っている。) この本の最後の 日本語の表記システムをかえることは今からでも不可能ではない。 p.284 ここで課題
2009/05/30 當山日出夫 『猿蟹合戦』は新常用漢字で書けるか(2009年5月29日)のコメントにある、 nazokouさんのご指摘の件は、毎日新聞の、 http://mainichi.jp/select/opinion/eye/news/20090527ddm004070159000c.html 記者の目:「常用漢字見直し試案」に疑問=平山泉(情報編成総センター校閲グループ) ◇「聘」入って「柿」ない不自然 読めるか否か、調査を にあるものですね。 確認のため引用しますと、 また、当用漢字の時代に、文化審の前身の国語審議会は、表外字を含めて「同音の漢字による書きかえ」を例示し、「潰滅(かいめつ)→壊滅」のように定着したと思われるものは多いのだが、今回「潰」を追加しながら「壊滅」「潰滅」の両様の表記をどう扱うのかについての説明はない。 とあります。 「潰滅」と「壊滅」とどうちがうんだ
2009/05/27 當山日出夫 もじのなまえ http://d.hatena.ne.jp/ogwata/20090517/p2 ますます、泥沼状態(?)であるようなので、私の意見はこちらに。 「しょうがいしゃ」の表記「障害」「障碍」「障がい」とは、やや観点が異なるが、nazokouさんが、非常に貴重な指摘をしている。 それと、何も「障害者」に対する忌避感は2000年に多摩市が交ぜ書きの「障がい」を採用した時(≒「政治的に正しくない」という指向が広まった時期)から突発的に生じた訳ではなく、聴覚の分野では戦後(1956年に「書きかえ」で「障碍」が否定されて以降)の比較的早い時期から「聴覚障害者」を忌避し「ろう(聾)者」を自称として使用する傾向が有りました。「ろう者」も交ぜ書きですが、その意味は「聾」と「者」に分割可能なため「障がい」や「子ども」のように問題視されることは余り有りません。「盲人
2009/05/26 當山日出夫 おがたさんの「もじのなまえ」での議論について。ブログのコメント欄で、いくら議論しても、内部の議論が、検索ですぐにヒットするというようにはなっていないので、ここに私なりの意見をのべておく。 私の結論から先にいえば、「碍」は、「新常用漢字表」に入れるべきである。 もじのなまえ http://d.hatena.ne.jp/ogwata/20090517/p2 nazokouさんのご意見、小形さんのご意見、その他のみなさん、それぞれに、どうもボタンの掛け違えがあるように感じる。お互いに批判しあってもしかたがない。「敵」(といっては語弊あるかもしれないが)は、「新常用漢字」の委員会の方である。「障害」「障碍」について、どのような問題点があるかを整理して、審議に反映させる方向に持っていくべきであろう。 このなかから、nazokouさんの発言を引用する。 個人的には「過
2009/05/20 當山日出夫 狩野さんが教えてくださった、三鷹市のHPを確認してみた。 三鷹市 http://www.city.mitaka.tokyo.jp/c_service/012/012516.html まさに、狩野さんのご指摘のように、「鷹」の一字を入れるために、余計な文字を、一蓮托生(?)で一緒にあつかわなければならなくなる。でなければ、「鷹」は漢字でいいけれども、ほかは仮名でかまわない。交ぜ書きで十分、ということになる。「鷹」が書けさえすればいいのだ。ということになってしまう。 つまり、「鷹の前の雀」じゃなくて「鷹の前のすずめ」、「鳶が鷹を生む」じゃなくて「とびが鷹を生む」となる。 「鵜目鷹目」(うのめたかのめ)、これを、もし「鷹」が常用漢字になったとして、どう表記すればいいのか、教えてもらいたい。 「狗狼雀烏鳩鳶鵜茄朋馴」である(狩野さんの指摘による。) これは、どう考
2009/05/18 當山日出夫 朝日新聞(大阪版)の5月18日(朝刊)。白石明彦編集委員の「新常用漢字表をよむ」が掲載になっている。見出しは、 審議の拙速 危ぶむ声 追加字種・字体の問題なお課題 とある。 審議の拙速は、もう、スタートの時点から分かっていたことである。すくなくとも、 ・国立国語研究所(独立行政法人)の廃止→大学共同利用機関法人 国語研では「KOTONOHA」コーパスを作成中である。これは、もう、文化庁が、基礎的な日本語の実態調査にもどづく「国語施策」を放棄したことになる。凸版・新聞・WEBなどの調査で、「KOTONOHA」を凌駕できるか。「KOTONOHA」にも問題なしとはしないが、単純な単漢字頻度調査よりは、はるかに、日本語の実態を把握できるはずである。 ・それはともかく、1年前の、最初の新聞報道(これは、事務的なミスもあったようだが)を見た瞬間、「こりゃダメだ」と思っ
2009/05/17 當山日出夫 ここしばらく、「碍」の字の方に目がむいていた。「鷹」について考えておく。 結論からいえば、三鷹市の主張にしたがうかたちで入れるべきではない。 朝日新聞の白石編集委員の記事によれば、三鷹市は23もの熟語や格言をしめしたとのこと。だが、もし、三鷹市が「鷹」の字を入れたければ、しめすべきは、「鷹」の現実の日本語での使用例、その実態である。辞書や書物から探してきた「鷹」の字をふくむ言葉(熟語・格言など)をいくらならべても、それだけでは、説得力は無い。 (1)固有名詞は別という方針であるならば、初めから「三鷹市」の表記としての「鷹」は考慮の余地がない。固有名詞であるから、基本的には、強制的に交ぜ書きで「三たか市」になるということはない。 (2)また、動植物名は仮名で書くという方針から考えても、「鷹」が特別であるとは思えない。 だが、私の意見としては、未来永劫(は大げ
2009/05/14 當山日出夫 まさに、危惧していた議論になっている。「しょうがい」を「障害」「障碍」と書くかどうか、である。いや、その前に、この語が日本語では、いつからどのように使われるようになったのか、そして、現状ではどうであるのか。 http://d.hatena.ne.jp/ogwata/20090514/p1 再掲載になるが、私の送ったパブリックコメント、部分的に再引用する。 http://d.hatena.ne.jp/YAMAMOMO/20090417/1239957129 漢字だけの頻度調査から、漢字の使用実態や日本語の表記は、わかりません。 1.まず、漢字は、日本語のことばの表記のためにあることを確認したいと思います。 2.そのことばを漢字で書くときに、どのような表記で書くか。漢字で書くか、平仮名で書くか、片仮名で書くか、種々の表記法があります。 3.もし漢字で書くとして
2009/04/17 當山日出夫 「新常用漢字表(仮称)」のパブリックコメント、私が送信したものの一部を記します。 (1)情報の開示 今回の「新常用漢字表(仮称)」が、大量の漢字調査データに基づくものであることは当然のことです。現在は、コンピュータによる言語研究が発達しており、それは、文字の研究にもおよんでおります。 しかし、インターネットで公開された、委員会の議事録などを拝見しますと、現代の、コンピュータ利用による漢字研究、日本語の表記研究のレベルからはいささかの疑問があります。 漢字だけの頻度調査から、漢字の使用実態や日本語の表記は、わかりません。 1.まず、漢字は、日本語のことばの表記のためにあることを確認したいと思います。 2.そのことばを漢字で書くときに、どのような表記で書くか。漢字で書くか、平仮名で書くか、片仮名で書くか、種々の表記法があります。 3.もし漢字で書くとしても、現
2009/04/06 當山日出夫 おがたさんの「もじのなまえ」のコメントで、狩野さんが指摘している。 http://d.hatena.ne.jp/ogwata/20090405/p1 「新常用漢字表(仮称)」の説明には、「楷書」の語が出てくるが、この「楷」の字が、現行の常用漢字表にも、新常用漢字表(仮称)にも、無い。 「この字は対象としない」という趣旨の記述は、とりあえず別にするとしても、そうではない、通常の説明の文章が、常用漢字(現行・新)で、記述できないのは問題だ。 この、狩野さんの指摘した問題、非常に重要である。 當山日出夫(とうやまひでお)
2009/04/05 當山日出夫 uakiraさんの日本語練習中 「飛翔体」と共に球春到来 http://d.hatena.ne.jp/uakira/20090405 なるほど、前例があるのかと思う。で、どうせ誤報と思って、そう詳しく見ることもなかった、今日の新聞を見る(朝日新聞、大阪版)。 昨日(4月4日)に、防衛省は、北朝鮮のミサイル(と称しておく)の発射で誤報をやってしまっている。そのとき、使っている用語が、やはり「飛翔体」。 つまり、政府発表においては、あるいは、防衛省用語においては、「飛翔体」という語(表記)は、前もって決まっていたということになる。相当の確信犯である。 この場合、論点を整理するならば、 ・日本の政府の用語としての「飛翔体」という使い方、その用例 ・これを報道するとき、これでいいかどうか。ルビの必要はないか、仮名に開く必要はあるか。 ということになるであろうか。
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