一冊たち トップ サイトについて メモ目次 絵掲示板 ブログ 翻訳味くらべ「海の上の少女」 2007.3.26 「海の上の少女」 (シュペルヴィエル 網島寿秀訳 みすず書房 2004)。 《水に浮かんでいるこの道はどのようにしてできたのだろう? いったいどんな水夫たちが、どのような建築技師の助力を得て、大西洋の沖合、六千メートルもの深さの海面に、こんなものを作ったのだろう? 赤煉瓦がすでに色褪せて灰色がかった家が並ぶこの長い道、スレートや瓦の屋根屋根、一様に地味なこれらの店はどのようにして築かれたのか? そしてたくさんの小窓がほどこされたこの鐘楼は? それに、中にあるものといったら海の水だけなのに、壁にはしっかりと瓶の破片が埋め込まれ、時々その上を魚がとび跳ねている、庭園とも言いたげなこの一角は? 》 「沖の小娘」 (「シュペルヴィエル抄」より 堀口大学訳 小沢書店 199